質問本文情報
平成二十九年三月三十日提出質問第一八〇号
内閣総理大臣夫人のハワイ訪問に関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
内閣総理大臣夫人のハワイ訪問に関する質問主意書
平成二十八年八月二十二日、内閣総理大臣夫人の安倍昭恵さんはアメリカ・ハワイの真珠湾を訪れ、「真珠湾のアリゾナ記念館にて、お花と祈りを捧げました」ことが安倍昭恵さん自身のフェイスブックで明らかにされている(以下、「本訪問」という。)。
本訪問の目的について、八月二十二日の記者会見で菅官房長官は、安倍昭恵さんが自ら主催する日米国際海洋環境シンポジウムに出席するためと説明し、「私的なものであり、政府としてのコメントは控える」と発言している。
内閣総理大臣夫人によるファーストレディ外交はわが国の国益に資するものの、その行動の法的位置づけに曖昧な点があると思われるので、以下質問する。
二 本訪問で使用された旅券は、先般提出した「内閣総理大臣夫人の政府専用機の使用に関する質問主意書」(質問第一三二号)に対する答弁書(内閣衆質一九三第一三二号)でいうところの、「内閣総理大臣の外遊への内閣総理大臣の夫人の同行に際しては、国の用務のため外国に渡航する者として、旅券法第五条の二の規定に基づき、同条に規定する公用旅券である外交旅券を発行しており、内閣総理大臣の夫人は当該外交旅券を使用している」ものではないため、「公用旅券である外交旅券」ではないという理解でよいか。
三 本訪問には、内閣総理大臣夫人付きの職員が同行していたのか。
四 三に関連して、内閣総理大臣夫人付きが同行していたとすれば、本訪問は安倍昭恵さんの「私的なもの」と思われるが、どのような法的根拠に基づいて、内閣総理大臣夫人付きは同行したのか。当該職員自身の適切な判断により対応したという理解でよいか。
五 本訪問に限らず、ファーストレディ外交としてはわが国の国益に資するものの、内閣総理大臣夫人付きの職員が安倍昭恵さんの私的な行動に同行する場合、国家公務員等の旅費に関する法律第四条の「左の各号に掲げる旅行は、当該各号に掲げる区分により、各庁の長又はその委任を受けた者(以下「旅行命令権者」という。)の発する旅行命令又は旅行依頼(以下「旅行命令等」という。)によつて行われなければならない」でいうところの、内閣総理大臣夫人付きの職員の旅行命令権者は具体的には誰か。見解を示されたい。
六 第三次安倍内閣において、内閣総理大臣夫人付きの職員が勤務時間中に、内閣総理大臣夫人の「私的なもの」である講演や出張に同行したことはあるのか。
七 国家公務員には、国家公務員法第百一条でいう「職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」との職務専念義務がある。六に関連して、内閣総理大臣夫人付きの職員が勤務時間中に内閣総理大臣夫人の「私的なもの」である行動に同行する場合、どのような根拠に基づき職務専念義務が免ぜられるのか。見解を示されたい。
右質問する。