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平成二十九年四月十四日提出
質問第二三二号

朝鮮半島有事における我が国の存立危機事態に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




朝鮮半島有事における我が国の存立危機事態に関する質問主意書


 平成二十九年四月十三日、参議院外交防衛委員会において安倍総理は、「サリンを弾頭に付けて着弾させるという能力については既に北朝鮮は保有している可能性があるわけでございまして、先般シリアにおいて百名近くの赤ん坊や子供たちも含む無辜の民が犠牲になったわけであります。ああした現実をしっかりと踏まえながら、それをさせないといういわば抑止力をしっかりと持つべきであろうという議論が当然ある」と答弁した。
 平成二十六年七月、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(以下、「本閣議決定」という。)が閣議決定され、集団的自衛権の行使への道が開かれた。本閣議決定の中で、いわゆる新三要件の一つとして、「わが国に対する武力攻撃が発生したこと、またはわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」が示された。
 これらを踏まえて、以下質問する。

一 「サリンを弾頭に付けて着弾させるという能力については既に北朝鮮は保有している可能性」があり、朝鮮半島有事にかかるミサイルが我が国の領土に着弾する可能性は排除されないが、このような攻撃を我が国が受けた場合、衆議院議員金田誠一氏提出の「武力攻撃事態に関する質問主意書」(質問第六六号)に対する答弁書(内閣衆質一五四第六六号)でいうところの、「我が国に対する組織的計画的な武力の行使」であるとの理解でよいか。
二 朝鮮半島有事において、「サリンを弾頭に付け」たミサイルが韓国国内の米軍基地やその周辺に着弾し、在韓米軍に人的被害が生じた場合、安倍総理がいうところの「現実をしっかりと踏まえながら、それをさせない」との考えに基づき、本閣議決定でいう「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」と認定される可能性は排除されないという理解でよいか。
三 平成二十六年七月十四日、衆議院予算委員会において安倍総理は、「いかなる事態が、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に当たるのか。これは、個別具体的な状況に即して、総合的に見ながら判断していくものであって、一概にこれだということをお答えするのはなかなか困難」と述べつつも、「一般論として申し上げると、海洋国家である我が国にとって、国民生活に不可欠な資源や食料等を輸送する船舶の安全確保は極めて重要」と答弁し、海上輸送路の封鎖などが存立危機事態になり得ることを排除していない。その観点からいえば、朝鮮半島有事において、「サリンを弾頭に付け」たミサイルが韓国国内に着弾し、韓国の国民に人的被害が生じた場合、我が国の領土にも「サリンを弾頭に付け」たミサイルが着弾する可能性は排除されず、より深刻な事態であり、新三要件でいうところの存立危機事態が認定される可能性は排除されないという理解でよいか。
四 二および三において、新三要件でいうところの存立危機事態が認定される場合、我が国の「赤ん坊や子供たちも含む無辜の民」が犠牲にならないようにするために「現実をしっかりと踏まえながら、それをさせないといういわば抑止力」として、自衛権の行使がなされる可能性は排除されないという理解でよいか。

 右質問する。



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