衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十九年四月十九日提出
質問第二四一号

米国抜きのTPP発効に対する政府の認識に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




米国抜きのTPP発効に対する政府の認識に関する質問主意書


 平成二十九年二月二日の衆議院予算委員会で安倍総理は、「米国が入らないことによって相当TPPの価値が低下するのは事実でございますし、日本と米国が主導していく、TPPを核にさらにこの価値観を広げていくということにおいては、米国が入らないということは大きな損失であるのは事実でございますが、ここ当分は米国の参加が見込まれない中においては、我々は固定観念ではなくてもう少し広く考えるべきだということを私は思っておりますが、今まさに議論をしているところ」と答弁した。
 四月十八日、石原伸晃経済再生相はオーストラリアのチオボー貿易相と会談し、米国が離脱したTPPへの対応を協議し、米国以外の署名国で協定発効を目指す考えで一致、米国抜きのTPPに意味がないとしてきた日本は事実上方針転換したと報じられた。石原大臣はチオボー貿易相との会談後、「十一カ国がばらばらなことを言ってしまったらTPPは空中分解してしまう」と述べ、日豪など十一カ国は五月下旬にベトナムでTPP閣僚会合を開き、発効方法に関する本格的な議論を始める意向であると報じられた。
 これらを踏まえ、以下質問する。

一 平成二十九年二月十四日の衆議院予算委員会で安倍総理は、「日本にとって最善の道は何であるかということを、米国は残念ながらTPP離脱ということを表明しているわけでありますが」、「フェアで公正なそして自由な経済圏をつくった、そういうルールをつくり上げたわけでありますから、それを広げていきたい。残念ながら米国はそういう状況にはなっておりますが、その中で我々は、何がベストか、最善かということをある意味では柔軟に考えていきたいと思っています」と答弁しているが、「何がベストか」「柔軟に考え」た結果、政府は、米国以外の署名国でTPP協定発効を目指すという方針に転換したという理解でよいか。
二 平成二十八年二月に署名されたTPPの協定文書では、TPPが発効するためには、加盟十二カ国のGDPの八十五%以上を占める少なくとも六カ国以上が国内手続きを終える必要があることが明示されている。このうち米国が全体のGDPの約六十%を占めるため、トランプ政権がTPPからの離脱を表明したことで、この協定文書のままではTPPの発効のめどが立たないという理解でよいか。
三 石原大臣は「十一カ国がばらばらなことを言ってしまったらTPPは空中分解してしまう」と表明し、今後、日豪など十一カ国が発効方法に関する本格的な議論を始める意向であるとのことであるが、米国抜きでTPPを発効させるためには、十一カ国で協定文書を修正し、加盟十二カ国のGDPの八十五%以上を占める少なくとも六カ国以上が国内手続きを終える必要があるという要件を修正しなければならないという理解でよいか。
四 トランプ大統領のTPP離脱の表明後、オーストラリアのターンブル首相は、「米国抜きでもTPPを推進する。中国の参加を呼びかける」と様々な機会で表明している。石原大臣がチオボー貿易相と会談し、米国抜きでのTPPの発効を目指す考えで一致したことは、このターンブル首相のかねてからの主張である中国の参加も排除しない方針も否定しないという理解でよいか。
五 米国抜きにTPPを発効させる方法として、「関税貿易一般協定」(GATT)の先例を参考に、十一カ国が別途議定書を結び、合意した国のみでTPPを適用させる方法も想定できる。五月下旬にベトナムで開催されるTPP閣僚会合における今後の発効方法に関する本格的な議論において、かかる別途議定書を結ぶという方法も排除されないという理解でよいか。
六 米国抜きでTPPを発効させる場合でも、オーストラリアなどから安価な牛肉が輸入されることになり、牛肉の生産農家からは不安の声が聞かれる。また国内の牛肉生産に少なからず影響が生じる。これまで米国を含めて十二カ国で想定していたTPPと比べて、十一カ国でTPPの発効を目指す場合、我が国の畜産業、水産業に与える影響は変わらないのか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.