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平成三十年十一月八日提出
質問第四〇号

福島第一原発で働く労働者の原発所内までの移動時間を業務とみなすことに関する質問主意書

提出者  阿部知子




福島第一原発で働く労働者の原発所内までの移動時間を業務とみなすことに関する質問主意書


 二〇一七年十月二十六日木曜日に東京電力福島第一原発所内で倒れた猪狩忠昭さんが、救急搬送先の病院で亡くなった。ご遺族の申し立てにより、いわき労働基準監督署は二〇一八年十月、猪狩さんの死を長時間労働による過労死であると労災認定した。その長期労働時間には、猪狩さんがいったん会社に出勤し、会社事務所に保管されているフィルムバッジなどを装着、血圧や体温測定を行ってから、同僚と共に就業場所である原発所内に移動した時間も、当然、含まれていたとされる。
 猪狩さんの死を無駄にしないためには、事業所の集合場所から就業場所への移動時間が適正に労働時間としてカウントされ、労働安全が確保されるよう、各方面への周知や働きかけが不可欠である。
 そこで以下、質問する。

一 全国の労働基準監督署がこれまでに相談や申立を受けた事案のうち、事業所の集合場所から就業場所への移動時間の賃金の支払い又は移動中の業務災害の扱いに関連する事案は五年間で延べ何件あるか。各署の事案件数と、このような事案をもとに労働基準監督署が管内の事業所に対して注意喚起を促したケースがあれば明らかにされたい。
二 福島第一原発所内を就業場所とする場合は、それ以外の就業場所への移動や労働とは異なる心身への負担があるのは言うまでもない。国道六号線の渋滞を含め、福島第一原発所内で労働することの特殊性を、国はどのように把握しているか。
三 厚生労働省は、福島第一原発所内の仕事を請け負う元請け会社や下請け会社に対して、集合場所から就業場所への移動時間は業務にあたる労働時間であると周知したことはあるか。周知したことがこれまでにないのであれば、猪狩さんの労災認定を機に周知徹底を図るべきではないか。
四 事業所の集合場所から就業場所への移動時間は業務にあたる労働時間であるとみなすかどうかは、賃金の支払いにも反映されるために、労働者にとっても切実な問題である。事業所の集合場所から就業場所への移動時間を労働時間とみなしていることを確認するために、東京電力、または福島第一原発所内の業務を請け負う元請け会社や下請け会社、またはその労働者に対して、アンケート調査等を厚生労働省として行うべきではないか。行わない場合はその理由を明らかにされたい。

 右質問する。



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