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平成三十年十一月九日提出
質問第五一号

いわゆる「幼稚園類似施設」に対する幼児教育無償化措置に関する質問主意書

提出者  宮本 徹




いわゆる「幼稚園類似施設」に対する幼児教育無償化措置に関する質問主意書


 周知のように、保育の必要性が「ある」と認定された二号認定、及び三号認定の場合は、認可保育園、認定こども園という認可園の他に、認可外保育施設(例えば、自治体基準の施設、ベビーホテル並びにベビーシッター等)に通う子どもが「幼児教育無償化」の対象とされている。
 ところが、安倍内閣が進めている「幼児教育無償化」は、無償化の「対象外」となる子どもが生じる。
 つまり、保育の必要性が「なし」と認定された一号認定(専業主婦等)の場合は、国が認可幼稚園、認定こども園のみを「幼児教育無償化」の対象としているため、自治体基準の幼稚園類似施設や自然保育など国の認可基準を満たさない幼児教育施設、いわゆる「幼稚園類似施設」に通う子どもは「幼児教育無償化」の対象外となる(以下、国の認可基準を満たさない幼児教育施設を「幼稚園類似施設」と記述する)。
 仮に、国がこのようなやり方で「幼児教育無償化」を施行するならば、幼稚園類似施設は入園希望者が激減し、園の存続が危うくなる等の怒りと悲鳴があがっている。
 また幼稚園類似施設は、発達障害をはじめとする様々な理由により、認可幼稚園から入園を拒否された子どもたちや認可幼稚園になじめなかった子どもたちを、自治体の枠をも超えて受け入れている実態がある。したがって、仮に幼稚園類似施設が廃園に至るようなことが発生したならば、かような子どもたちが通う幼児教育施設が「無くなる」状況へと追い込まれかねない。
 幼稚園類似施設は、幼稚園の国基準を満たさないものの、幼児教育無償化の対象とされる認可外保育施設と比較しても、正規教諭の配置や園庭の整備等、幼児の発達を促す良い環境を整備している園も多々あり、実際、関係者等より、不公平であり差別だという声もあがっている。
 幼稚園類似施設は、自治体の財政支援を受ける園、乃至ない園もある。数十年にわたり地域の幼児教育を支えてきた園もあれば、自然保育をはじめとするユニークな教育を行う園も多々ある。いずれも、地域の幼児教育を担っている宝であると、私は考える。
 そこで以下、質問する。

一 国の認可基準を満たさない幼稚園類似施設の運営主体は、いかなる種類があると認識しているか。また、全国にどのぐらいの存在があるかを、数として把握しているのか。
 これは国の基本認識に関わる点であり、具体かつ詳細に明らかにされたい。
二 一号認定の場合、国基準を満たさない幼児教育施設に通う子どもを「幼児教育無償化」の対象外にする国のやり方は、保護者が行う幼児教育の選択に対して実際に影響を与えているという認識が、そもそも国に有るか否かを明確にされたい。
 仮に有るならば、保護者による幼児教育の選択に対して、いかなる影響を及ぼしているのかを、具体かつ詳細に明らかにされたい。
三 一号認定の場合、国基準を満たさない幼稚園類似施設に通う子どもを「幼児教育無償化」の対象外にする国のやり方は、対象外とされた幼稚園類似施設が廃園に追い込まれる大きな懸念があることを、国は認識しているか。具体的に明らかにされたい。
四 幼稚園類似施設は、地域の幼児教育になくてはならない役割を果たしてきている。国は、現在の「幼児教育無償化」により、これらの幼稚園類似施設が、廃園に追い込まれても「仕方がない」と考えているのか。
 また国は、幼稚園類似施設が廃園に追い込まれないための手立てを、真剣かつ具体的に検討しているのか。明瞭に説明されたい。
五 そもそも国は、認可幼稚園に入園を拒否される子どもや退園を求められる子どもが存在することを認識しているか。また国は、かような子どもに対して、幼児教育をいかに保障するべく認識し、措置を講じているのか。具体的に明らかにされたい。
六 安倍内閣の進める「幼児教育無償化」により、仮に廃園に追い込まれる幼稚園類似施設が生じた場合、及び通う先が無くなる子どもが生じた場合は、国はいかなる責任を負うのか。国の基本的見解を具体的に明らかにされたい。

 右質問する。



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