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平成三十年十一月三十日提出
質問第九七号

自動車運転代行業に関し国による都道府県への指導に関する質問主意書

提出者  青山大人




自動車運転代行業に関し国による都道府県への指導に関する質問主意書


 自動車運転代行業は、飲酒者等に代行して自動車を運転する役務を提供する業として、飲酒運転やそれに起因する交通事故の減少に一定の寄与を果たしてきた。一方で、開業要件が比較的容易であることから、新規参入事業者増加による価格競争の激化、損害保険の未加入等の問題があり、業務の適正な運営が課題とされている。
 平成十三年に自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律が制定され、代行業者数は、ここ数年ほどは落ち着きを見せているものの、全国的に増加の一途をたどってきた。その間、業界団体は、悪質業者を駆逐し業務運営適正化を図るべく自助努力を続けるとともに、条例による適正料金の設定、夜間運転に携わる労働者の過酷労働やスピード違反を防止するに充分な最低保有車両台数基準の設定、夜間交通事故防止のための見やすい行灯設置の義務化等を要望しているものの、実現されておらず、業務運営適正化の実現にはいまだ困難を伴っている。
 例えば、茨城県ではつくばエクスプレスが平成十七年に開業し、沿線駅の飲食街が活性化したことに伴い、平成十七年には二四八業者だったところ、ピーク時の平成二十七年には三九三業者に増加した(同様につくばエクスプレスが通る千葉県では平成十七年に一三六業者、同二十七年には三一三業者と十年間で優に二倍を超えた)。平成二十九年末時点においても茨城県では三六七業者(全国第三位)が存在しており、業者数の急増のため、価格競争の激化、損害保険未加入に加え、白タク行為、事故多発等が問題となっている。
 このような中、平成二十八年三月二十二日には業界団体との意見交換も踏まえて国土交通省により利用者保護対策が決定、業界団体へ通知された。
 もっとも、利用者保護対策の内容は業界団体の自助努力に依拠するものであり、例えば、この通知を受け、平成二十九年六月二十六日に公益社団法人全国運転代行協会では法令違反事業者を国土交通省へ報告する通報制度を全国展開することを決めた。これに先駆け、代行業者数が全国第三位と多い茨城県では、モデルケースとして、同協会茨城県支部及び茨城県運転代行協会と県警とが連携し、平成二十九年一月と三月に通報制度トライアルすなわち街頭での代行業者抜き打ちチェックを行っている。
 一方、平成二十七年度には国から都道府県に対し、代行業者に関する国の事務の一部が権限移譲され、また、平成三十年末までには国土交通省から都道府県に対し、最低料金の条例化を明確化する通知を発出予定とのことである。同協会各県支部等においては、権限移譲をきっかけにこれまでの業務運営適正化への取組みが後退することがないよう、そして条例制定を検討するよう、都道府県へ働きかけを行う状況にある(例えば、同協会茨城県支部及び茨城県運転代行協会では平成二十九年七月十三日に茨城県知事へ申入れを行った)。しかしながら、都道府県において、これまで業界団体が取り組んできた課題についての問題意識が十分に共有されているか懸念が残るところである。
 今後業界団体が、従来の国への働きかけや連携の他に、都道府県への働きかけをも新たに行わなければならないとすれば、業界の高齢化や、夜間に集中する業務の合間を縫っての取組みとなることから、その負担は大きい。
 そこで、以下質問する。

一 都道府県への権限移譲にあたり、これを機に自動車運転代行業界団体による業務運営適正化へのこれまでの努力が失われることがないよう、また、都道府県によってサービスの質のばらつきが生じないよう、今後、国による都道府県への指導徹底が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。
二 前項及び最低料金の条例可能化の動きに関し、労働者保護及び利用者保護の観点から、特に最低料金の設定、最低保有車両台数基準の設定、行灯設置の義務化を条例で規定する必要があると考えるが、ガイドラインの策定等国による都道府県の条例制定への支援・助言の必要性について、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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