質問本文情報
令和二年六月九日提出質問第二三七号
介護現場等で働く外国人をめぐる宗教的配慮に関する質問主意書
提出者 阿部知子
介護現場等で働く外国人をめぐる宗教的配慮に関する質問主意書
日本は、介護現場等で働く外国人を複数ルートで受け入れているが、受入れ施設における信教の自由への理解不足から、問題が生じる場合がある。
たとえば、経済連携協定(EPA)の枠組みで、イスラム教徒の看護師候補者や介護福祉士候補者を受け入れた施設が、女性の着用するジルバブ(ヒジャブ)を勤務時間中に着用しないことを求めたり、ジルバブを着用したまま業務に従事することを拒否したりすることがある。
ところが、外国人受入れを所管する厚生労働省などが、問題解決に有効な対策を取ってこなかったとの指摘があり、以下質問する。
一 ジルバブの着用を巡り、問題が生じてきたことを政府は認識しているか。
二 受入れ施設側が勤務時間中にジルバブを着用しないことを強要したり、ジルバブ着用を理由に業務に従事することを拒否したりすることは不適切だと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。適切であると考える場合は、その法的な根拠を明らかにされたい。
三 ジルバブを着用して働くことができる施設もあるが、雇用契約や就業規則、EPAの二国間取り決めでも信教の自由についての明確な言及がない中、国としての方針がないまま、それぞれの雇用者の判断によって今後も同様の問題が起きることが懸念される。信教の自由への理解を深め、トラブルを未然に回避するために、日本が外国人労働者を受け入れる上での宗教的配慮について、ガイドラインが必要ではないか。政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。