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令和五年二月七日提出
質問第二号

WTO農業協定等に関する質問主意書

提出者  緒方林太郎




WTO農業協定等に関する質問主意書


一 WTO農業協定第四条における市場アクセスに関し
 1 同条に基づく輸入機会の提供とは、具体的にどのようなものか。
 2 令和五年二月三日衆議院予算委員会で、野村農林水産大臣は次のように答弁している。
  「(略)一回の入札で不落になったこともあって、この不落については、輸入機会の提供義務を果たしたと解釈することは困難で、関心国にとっては、これはなかなか受け入れてもらえないというふうに思っております。したがって、これからも予定されております数量についての入札は、やはり行っていかざるを得ない。これはWTOでのもう決まり事でありますから、幾ら残ったにしても、不落だったから、もう、じゃ、やめたよという話にはなりません。」
  ア WTO農業協定において、一回の入札で輸入機会の提供義務を果たしたと解釈することは困難なのか。政府調達における入札の解釈とも照らし合わせた上で答弁ありたい。
  イ 輸入機会の提供義務を果たしたか否かを判断するに際して、関心国の意向を考慮することは必要なのか。同様に、政府調達における入札の解釈とも照らし合わせた上で答弁ありたい。
  ウ WTO農業協定のどこに、野村農林水産大臣答弁のような解釈が書いてあるのか。
二 国家貿易に関し
 1 平成二十八年十月四日の衆議院予算委員会において、山本有二農林水産大臣(当時)が次のように答弁している。
  「米につきましては、我が国と海外との内外価格差は依然として大きなものがございまして、ミニマムアクセス米の輸入につきましては、国産米の需給に極力悪影響を与えないように、まさに国家貿易により輸入し、価格等の面で国産米では十分に対応しがたい加工用、飼料用等の非主食用に販売しているところでございます。」
  また、令和五年二月二日衆議院予算委員会で、野村農林水産大臣が次のように答弁している。
  「内外格差があるから、国家貿易として国が一元的に輸入をする、こういうことでございます。」
  ア 一般論として、国家貿易で全量輸入している農産品について、そのような取扱いをしている理由として、当該農産品の内外価格差があるとの理解で差し支えないか。
  イ 内外価格差が解消される農産品は、もはや国家貿易で全量輸入する必然性はないという理解で差し支えないか。
 2 令和五年二月二日衆議院予算委員会で、野村農林水産大臣が次のように答弁している。
  「乳製品のカレントアクセスにつきましては、農林水産委員会等でもいろいろ皆さんの方から御質問があるんですが、これはもうガット・ウルグアイ・ラウンドでの交渉の中で全体のパッケージとして決めてあることでございまして(以下略)」
  乳製品のカレントアクセスに関し、国家貿易で全量輸入することは、ガット・ウルグアイ・ラウンドでの交渉の中で全体のパッケージの中に含まれていたのか。
 答弁については、過去の主意書答弁における経緯を踏まえ、農林水産省のみならず、関係する省庁に幅広く協議した上で作成ありたい。また、答弁に際しては、質問を括ることなく、質問毎に答弁ありたい。

 右質問する。

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