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令和五年六月七日提出
質問第八二号

運動部活動の部活動指導員制度の改善に関する質問主意書

提出者  井坂信彦




運動部活動の部活動指導員制度の改善に関する質問主意書


 令和四年十二月、スポーツ庁と文化庁から「学校部活動及び地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」が発表された。本ガイドラインは義務教育である中学校の生徒の学校部活動と地域クラブ活動を主な対象としているが、高等学校段階の学校部活動についても原則として適用するとしている。
 この学校部活動については、教師だけでなく部活動指導員や外部指導者などの確保を基本とし、指導の充実・生徒の安全の確保・教師の長時間勤務の解消等の観点から円滑に学校部活動を実施できるよう、適正な数の学校部活動を設置することとしている。部活動指導員を積極的に任用し、学校に配置をすることを求めている。
 しかし、公益財団法人日本スポーツ協会が令和三年七月に発表した、学校運動部活動指導者の実態に関する調査によると、実際に部活動指導員に依頼している割合は、中学校で八・七%、高等学校で十一・五%にすぎない。またその中でも、部活動指導員がスポーツ指導に関する資格を保有する率は、中学校で四十二%、高等学校で五十・二%しかない。
 部活動指導員の配置が増えない原因は、条件や待遇にあると言われている。部活動指導員の職務は、実技指導、安全・障害予防に関する指導、学校外での活動の引率などとともに、保護者等への連絡や、年間・月間指導計画の作成など、担当の教師等との定期的な情報交換などが発生する。そのため、研修等を実施して、身分は学校職員となる。しかし、例えば比較的条件の良い東京都では、勤務時間は年間七百四十時間以内、一日当たりの勤務時間は原則として平日三時間、休日四時間などとなっている。報酬額は時間額二千三百円となっており、最大で年収は百七十万二千円となる。これでは専業の仕事にはならず、時間の都合が付きやすい他の仕事と兼業をせざるを得ないため、十分な人材が得られない。
 以上のように部活動指導員が不足している現状を鑑み、以下、政府の見解を質問する。

一 令和四年の第二百八回国会の質問主意書第一一四号において「部活動指導員や地域部活動よりも外部指導者の活用を拡大した方が教師の負担軽減につながるのではないか」という問いに対し、「文部科学省としては、部活動の地域移行を推進する」という答弁があった。しかし、本ガイドラインでは「部活動指導員や外部指導者など適切な指導者を確保していくことを基本とし」とあることから、まずは部活動指導員と外部指導者の充実によって早急に教師の負担軽減を図るべきではないか。
二 令和四年の第二百八回国会の質問主意書第一一四号において「部活動指導員の条件や待遇の改善」を求めたところ、「地域の実情等に応じて、各学校の設置者において判断されるべきもの」「好事例の周知や必要な予算の確保など、部活動指導員の確保のための取組を推進」という答弁があった。外部指導者は現状のまま時間給とし、部活動指導員は常勤もしくは非常勤であっても専業で勤められるような待遇とすることで両者を住み分けするよう、制度自体を見直す必要があるのではないか。
三 本ガイドラインでは、部活動における適切な休養日等の設定として、学期中は週当たり二日以上の休養日(平日は少なくとも一日、土曜及び日曜は少なくとも一日以上)を設けるとしている。また、一日の活動時間は、平日は二時間程度、学校の休業日は三時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行うとしている。こうした効率的な活動や、怪我や安全面への配慮も考えると、トレーナーの資格を有する者が部活動指導員や外部指導者として指導に当たることが望ましいと考えるが、政府の見解を伺う。
四 部活動指導員や外部指導者には、職務の専門性を高めるためスポーツ指導に関する資格の取得や、効率的・効果的・安全面への取組としてトレーナーの資格取得を進めるべきと考える。こうした所有資格に応じた手当等を給付することで、待遇改善を図ることができると考えるが、政府の見解を伺う。
五 トレーナーの資格を有する者であれば、一種目の部活動に留まらず、全ての運動部への指導を行うことができる。学校全体の専属トレーナーという役割を作ることで、常勤もしくは非常勤であっても専業として勤められる待遇にできると考えるが、政府の見解を伺う。

 右質問する。

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