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令和七年十月二十九日提出
質問第三二号

介護支援専門員の更新制度及び処遇確保策に関する質問主意書

提出者  大石あきこ




介護支援専門員の更新制度及び処遇確保策に関する質問主意書


 我が国においては、高齢化の進展により、介護サービス需要が増加する一方、介護支援専門員(以下「ケアマネ」という。)の従事者数は横ばいから減少傾向にあり、今後十年以内に担い手が急減することが厚生労働省の「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」(以下「検討会」という。)でも指摘されている。
 検討会の中間整理(令和六年十二月十二日)では、
 「高齢者が抱える課題が複雑化・複合化しており、ケアマネジャーの役割の重要性は増大している」
 「ケアマネジャーの従事者数は減少傾向にあり、人材確保・定着が喫緊の課題である」
 「他産業・同業他職種に見劣りしない処遇の確保が必要である」
とされている。
 一方で、現場のケアマネからは、報酬の低さ・過重業務に加え、法定更新研修の時間的・経済的負担により業務を続けることが困難だとの意見が多い。
 大石あきこ事務所が令和七年九月に実施したケアマネ実態調査アンケート(有効回答約四百件)(以下「アンケート」という。)では、次のような意見が多数寄せられた。
 現場の声(アンケートより抜粋)
 ・更新研修が時間と費用の負担になっており、人材流出の最大要因になっている
 ・他の国家資格にない更新制度をなぜ続けるのか
 ・更新研修のために休みを取らざるを得ず、仕事と両立できない
 ・報酬が低すぎて生活できない。主任資格を取っても手取りが変わらない
 ・処遇改善を最優先に。書類業務が多すぎて現場が疲弊している
 ・資質向上は重要だが、更新制度とは切り分けてほしい
 ・国家資格化し、他職種と同等の地位と報酬を
 ・ケアマネ不足で担当を多く持たざるを得ないが、多く持つと研修の時間が取れず、報酬単価も減らされる悪循環になっており、続けられない
 これらの声は、制度の限界を訴える現場からの警鐘であり、抜本的な見直しが急務である。
 以上を踏まえ、質問する。

一 他の医療・福祉の国家資格には存在しない更新制度をケアマネにのみ義務づけている合理的理由を示されたい。現場では「更新研修が離職の最大要因」との指摘が多数あり、制度の持続性を損なっている。
二 令和七年十月二十七日の社会保障審議会介護保険部会でも更新研修の負担を課題とし、「更新研修の受講を要件とした介護支援専門員証の有効期間の更新の仕組みは廃止」という方向性も示されたところであるが、更新制度そのものを廃止すべきではないか、政府の見解を示されたい。
三 法定研修は資質向上のためと説明されるが、そのためには、地方自治体任せではなく、研修を無償にするなど国による支援が必要ではないか、政府の見解を示されたい。
四 検討会の中間整理は「他産業・同業他職種に見劣りしない処遇の確保」を求めている。アンケートでも「報酬が低すぎて生活できない」「担当件数を増やさなければ収入が上がらない」との声が圧倒的である。人材の確保のためにも、資質向上のための研修時間を確保するためにも、臨時の報酬改定を行うべきではないか。どのように処遇の確保を行うか、政府の見解を示されたい。
 
 右質問する。

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