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令和七年十一月十四日提出質問第七四号
SORA2と著作権法第三十条の四に関する再質問主意書
提出者 八幡 愛
SORA2と著作権法第三十条の四に関する再質問主意書
私が提出した質問に対する政府答弁書(内閣衆質二一九第一九号、以下同答弁書という)において、第四、第五及び第六の各質問に関し、政府は「意味するところが明らかでない」として実質的な答弁を避けている。
しかし、当該質問は、当時、平将明デジタル大臣及び城内実内閣府特命担当大臣がそれぞれ公式記者会見において明示的に発言した内容に基づくものであり、その発言は各省庁の公式ウェブサイトにも掲載されている。
それにもかかわらず、「意味するところが明らかでない」と答弁することは、政府が自らの閣僚の発言を把握していない、もしくは意図的に軽視していることを意味し、閣僚間で基本的認識が共有されていないことを示唆する。このような答弁は、政策責任の所在を曖昧にし、閣内の一貫性を欠いた答弁として、事実上の閣内不一致にも等しいと考える。
また、いわゆるAI法第三条及び第十六条の規定を明示した上で質問しているにもかかわらず、政府が「意味を理解できない」と繰り返すことは、立法府に対する誠実な説明義務を放棄するものである。新法を制定したにもかかわらず、その適用可能性を自ら回避するかのような姿勢は、AI政策の透明性を損ない、国民の信頼を著しく損なうものであると考える。
よって、以下、政府に質問する。
一 平将明デジタル大臣が令和七年十月七日の記者会見で言及した「オプトイン方式」は、デジタル庁の公式サイト及び報道等に明記されている。これを「意味するところが明らかでない」とする政府答弁は、閣僚の公式発言を無視するものであり、閣内の意思疎通及び政策一貫性の観点から看過できない。政府は、平大臣の当該発言を把握しているのか。把握している場合、その「オプトイン方式」が著作物の学習段階における利用許諾を指すのか、あるいは生成・出力段階における制御を指すのか、明確に示されたい。
二 城内実内閣府特命担当大臣が令和七年十月十日の記者会見で言及した、OpenAI社に対する「著作権侵害防止に関する要請」について、政府は同答弁書で「AI法に基づくものではなく内閣府設置法に基づく」と回答した。しかし、AI法第十六条には、まさにそのような場合における「調査及び情報開示要請」の根拠が規定されている。なぜAI法に基づくと明言できないのか。AI法を回避して設置法を根拠とする理由を明示されたい。
三 AI法第三条において、政府は「国民の安全及び権利利益の保護に配慮しつつAI技術の開発及び活用を推進する」責務を有するとされている。この規定を踏まえれば、政府は生成AI技術における知的財産権侵害のリスクを予見し監督する義務を負うことは明白であると考えるが、政府のAI法第三条及び第十六条に対する見解如何。
右質問する。

