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令和七年十一月十七日提出質問第七七号
不登校児童生徒支援に関する質問主意書
提出者 長友よしひろ
不登校児童生徒支援に関する質問主意書
文部科学省が令和七年度に公表した児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によれば、令和六年度の小・中学校における不登校児童生徒数は三十五万三千九百七十人に達し、十二年連続で増加し過去最多となっている。これは、憲法第二十六条及び教育基本法に定める教育の機会均等の実質的な保障の重要性に鑑み、極めて深刻な事態である。
不登校児童生徒については、「学校生活への意欲低下」(三十・一%)、「生活リズムの不調」(二十五・〇%)、「不安・抑うつ」(二十四・三%)等に関する相談があったこと等が把握されており、児童生徒の心理的・社会的困難が複合的に絡んでいる。
政府は、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(以下「教育機会確保法」という。)に基づく基本指針の策定や「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)」の設置促進、「GIGAスクール構想」の推進等の施策を展開しているが、自治体間格差、人材・財源の不足、民間支援団体との連携不全など、構造的課題は依然として解消されていない。
こうした状況を踏まえ、以下質問する。
一 不登校の増加要因の政府認識について
1 令和六年度に不登校児童生徒数が過去最多を記録した現状を、政府はどのように分析しているか。
2 家庭・学校・社会・本人に係る要因に分類した場合、それぞれの主要背景について、政府の見解を示されたい。
二 教育機会確保法の実効性評価について
1 同法施行から現在までの成果と限界を、定量的・定性的にどのように評価しているか。
2 自治体における条例制定・施策推進の状況を把握しているか。
3 法改正の必要性について、政府内での検討状況を示されたい。
三 自治体間格差と国の責任について
1 不登校児童生徒に対する支援拠点数及び相談体制、ICT活用度等における自治体間格差の現状認識を示されたい。
2 国として最低限の支援水準を保障する制度的枠組みを設ける考えはあるか。
四 居場所・オンライン支援の位置づけについて
1 NPO等による居場所支援・オンライン学習支援を、教育制度の一環としてどのように評価しているか。
2 それらの活動に対する恒常的な財政支援・人材育成支援の方針を示されたい。
五 GIGAスクール構想と学びの保障について
1 GIGAスクール構想によって整備された学習者用情報端末等を活用した在宅学習・オンライン教育 の全国的な実態をどのように把握しているか。
2 登校困難な児童生徒に対して、登校している児童生徒と同等の学習機会を保障する制度的措置の検討状況を示されたい。
六 心理的支援・家庭支援体制の強化について
1 スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置状況と充足度を示されたい。
2 心理的支援と教育支援を一体化させる制度設計の構想を示されたい。
七 将来展望について
1 政府として、今後五年間に不登校児童生徒数を減少させる具体的目標を有しているか。
2 現行制度を超える抜本的改革(例:「学び保障基本法」等)の検討状況を示されたい。
右質問する。

