答弁本文情報
令和七年十一月二十八日受領答弁第七七号
内閣衆質二一九第七七号
令和七年十一月二十八日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員長友よしひろ君提出不登校児童生徒支援に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長友よしひろ君提出不登校児童生徒支援に関する質問に対する答弁書
一の1について
お尋ねについては、「令和六年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」(令和七年十月二十九日付け七初児生第二十三号文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知)において、「小・中学校の不登校児童生徒数は十二年連続で増加し約三十五万四千人・・・となった。小・中学校の不登校児童生徒数は過去最多となったものの、新規不登校児童生徒(前回調査では不登校に計上されていなかった者)数の減少や、不登校継続率(前回調査で不登校に計上された者のうち、今回調査でも不登校に計上された者の割合)の低下等により、不登校児童数全体の増加率は前年度と比較して低下した(令和五年度十五・九パーセント→令和六年度二・二パーセント)。」と示しているとおりであり、政府としては、極めて憂慮すべき状況が継続していると認識している。
一の2について
御指摘の「不登校の増加要因」については、「家庭・学校・社会・本人に係る要因に分類した」分析は行っておらず、また、不登校児童生徒数の増加の背景には、様々な要因が複雑に絡み合っているため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、例えば、文部科学省が令和七年度に実施した「令和六年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(以下「令和六年度問題行動等調査」という。)において、「不登校児童生徒について把握した事実」について回答した割合の高かった上位三項目についてお示しすると、「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」が三十・一パーセント、「生活リズムの不調に関する相談があった」が二十五・〇パーセント及び「不安・抑うつの相談があった」が二十四・三パーセントとなっている。
二の1について
お尋ねの「成果と限界」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、文部科学省においては、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(平成二十八年法律第百五号。以下「教育機会確保法」という。)の趣旨等を踏まえ、不登校児童生徒等に対する教育の機会の確保等に取り組んでいるところであり、例えば、教育委員会等が設置し、不登校児童生徒等の学習活動に対する支援を行う「教育支援センター」の数については、教育機会確保法が施行された平成二十八年度末時点で千三百八十八箇所、令和六年度末時点で千八百七十三箇所と着実に増加しているが、一の1についてで述べたとおり、小中学校における不登校児童生徒数が増加している状況については、政府としては、極めて憂慮すべき状況が継続していると認識している。
二の2について
教育機会確保法に関連する地方公共団体における条例の制定や施策に係る状況については、政府として網羅的に把握しているわけではないが、不登校児童生徒の教育の機会の確保に関して、条例を定めている地方公共団体はあると承知している。
二の3について
教育機会確保法附則第三項において、「政府は、・・・この法律の施行後三年以内にこの法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づき、教育機会の確保等の在り方の見直しを含め、必要な措置を講ずるものとする。」とされていることを踏まえ、文部科学省に有識者会議を設置し、教育機会確保法の施行の状況について検討を行い、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の施行状況に関する議論のとりまとめ」(令和元年六月二十一日不登校に関する調査研究協力者会議・フリースクール等に関する検討会議・夜間中学設置推進・充実協議会取りまとめ)を公表したところであるが、議員立法である教育機会確保法の改正については、その必要性を含め、まずは国会において御議論いただくべき問題であると考えており、政府として、「法改正の必要性について」現時点において、具体的な検討は行っていない。
三の1について
お尋ねの「支援拠点」、「相談体制」及び「ICT活用度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、不登校児童生徒等が学校内で学習したり、相談支援を受けたりする「校内教育支援センター」が設置されている公立小中学校の数の、全公立小中学校の数に占める割合や、文部科学省が令和六年度に実施した「学校保健統計調査」の対象とした学校のうち、スクールカウンセラーが「あらかじめ決められたスケジュールに沿って定期的に配置され・・・その時間数が週の時間に換算して週四時間以上」である学校の数がその全体に占める割合については、地方公共団体によって差があるものと承知している。また、ICT等を活用して学習を行う不登校児童生徒の数については、政府として把握していない。
三の2について
お尋ねの「最低限の支援水準を保障する制度的枠組み」がどのようなものを想定しているのか必ずしも明らかではないが、文部科学省においては、令和五年三月に「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」(以下「COCOLOプラン」という。)を取りまとめ、その中で、「誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現」するための各種施策等を示すこと等を通じて、不登校児童生徒等の支援に係る地方公共団体の取組を支援しているところであり、引き続き、「誰一人取り残されない学びの保障」の実現に向けて取り組んでまいりたい。
四の1について
お尋ねの「居場所支援・オンライン学習支援」及び「教育制度の一環として」の「評価」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、文部科学省においては、不登校児童生徒に対する多様な教育の機会を確保するため、例えば、「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年十月二十五日付け元文科初第六百九十八号文部科学省初等中等教育局長通知)において、「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱い」について、「不登校児童生徒の中には、学校外の施設において相談・指導を受け、社会的な自立に向け懸命の努力を続けている者もおり、このような児童生徒の努力を学校として評価し支援するため、我が国の義務教育制度を前提としつつ、一定の要件を満たす場合に、これらの施設において相談・指導を受けた日数を指導要録上出席扱いとすることができること」とし、また、「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い」について、「一定の要件を満たした上で、自宅において教育委員会、学校、学校外の公的機関又は民間事業者が提供するICT等を活用した学習活動を行った場合、校長は、指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができること」としているところであり、このような「学習活動」を含め、多様な教育の機会が確保されることは重要であると考えている。
四の2について
お尋ねの「それらの活動」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、四の1についてで述べた、不登校児童生徒に係る「相談・指導」や「ICT等を活用した学習活動」の提供等に係る四の1で御指摘の「NPO等」の活動に関し、現時点においては、御指摘の「恒常的な財政支援」や四の1で御指摘の「NPO等」の職員の育成に対する支援を行う予定はない。
五の1について
お尋ねの「在宅学習・オンライン教育」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、三の1についてで述べたとおり、ICT等を活用して学習を行う不登校児童生徒の数は、政府として把握していないが、令和六年度問題行動等調査によると、「自宅におけるICT等を活用した学習活動を指導要録上出席扱いとした児童生徒数」は、令和六年度において一万三千二百六十一人となっている。
五の2について
お尋ねについては、四の1についてで述べたとおり、「一定の要件を満たした上で、自宅において教育委員会、学校、学校外の公的機関又は民間事業者が提供するICT等を活用した学習活動を行った場合、校長は、指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映する」ための措置を行っている。
六の1について
令和六年度問題行動等調査によると、令和六年度にスクールカウンセラーの活動実績がある公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校(以下これらを合わせて「小学校等」という。)の総数は三万千七十五校であり、これが全国の公立の小学校等の総数に占める割合は九十八・一パーセントである。また、スクールソーシャルワーカーの活動実績がある公立の小学校等の総数は、二万四千三百五十三校であり、全国の公立の小学校等の総数に占める割合は、七十六・八パーセントである。
六の2について
お尋ねの「心理的支援と教育支援を一体化させる制度設計の構想」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、COCOLOプランにおいて、「教師やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、養護教諭、学校医等が専門性を発揮して連携し、最適な支援につなげること」を示している。
七の1について
政府として、お尋ねの「今後五年間に不登校児童生徒数を減少させる具体的目標」を定めていないが、COCOLOプランにおいて、「不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすること」を目指すこととしている。
七の2について
お尋ねの「現行制度を超える抜本的改革(例:「学び保障基本法」等)」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、政府としては、引き続き、COCOLOプラン等を踏まえ、不登校児童生徒等に対する教育の機会の確保等に取り組んでまいりたい。

