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平成十三年三月二十七日受領
答弁第一八号

  内閣衆質一五一第一八号
  平成十三年三月二十七日
内閣総理大臣 森   喜  朗

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員川内博史君提出国立ハンセン病療養所「邑久光明園」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川内博史君提出国立ハンセン病療養所「邑久光明園」に関する質問に対する答弁書



一について

 国立療養所邑久光明園(以下「光明園」という。)においては、ハンセン病患者の死因等を究明し、ハンセン病の医学に関する研究に資するため、亡くなった患者の解剖が行われてきたところである。御指摘の内臓などの検体は、このような解剖によって得られた標本の一部が、ハンセン病の病態を分析し、治療方法の向上等に関する研究に使用するため、保管されていたものと考えている。
 また、かつてハンセン病は妊娠又は分娩により病状が悪化する一方、乳幼児期に感染しやすく、いったん発病すると完治させる方法がないと考えられていたことから、光明園においては、このような当時の医学的知見を踏まえ、らい予防法の廃止に関する法律(平成八年法律第二十八号)による改正前の母体保護法(昭和二十三年法律第百五十六号。以下「旧優生保護法」という。)の規定等に基づき、人工妊娠中絶が行われていたものと考えている。御指摘の胎児の標本については、このような人工妊娠中絶によって母体外に排出された胎児の標本が、ハンセン病の医学に関する研究に使用するため、保管されていたものと考えている。
 政府として、光明園においてこのような解剖及び人工妊娠中絶が行われていたことは承知していたところである。

二について

 御指摘の標本については、昭和六十年三月までは旧研究室において保管していたが、同室が手狭になったことに伴い、同年四月から平成十二年十一月までの間は旧解剖霊安棟臓器室において保管していたところである。現在は旧解剖霊安棟が建て替え中であるため、一時的に旧事務本館において保管しているが、新棟完成後はその中の資料室において保管する予定である。
 また、当該標本を使用して行った研究の成果は学術論文等として発表されており、解剖及び人工妊娠中絶が行われていた事実を隠そうとしたことはない。

三について

 一についてで述べたように、かつて光明園においては、その当時の医学的知見を踏まえ、旧優生保護法の規定等に基づき、人工妊娠中絶が行われていたものと考えている。

四について

 ハンセン病対策はその時々の医学的知見に基づき適正に行ってきており、らい予防法(昭和二十八年法律第二百十四号)の制定当初からその慎重な運用に努め、遅くとも昭和五十年以降は入所患者の外出及び退所に関する制限を全く行っておらず、また、平成七年の医学的にらい予防法は立法根拠を失ったとする日本らい学会の見解を受けて、平成八年にはらい予防法を廃止したところである。現在係属中のハンセン病療養所入所者等による国に対する損害賠償請求訴訟においても、このような点を詳細に主張しているところであり、今後当該訴訟を通じて主張の当否が明らかになるものと考えている。
 また、らい予防法の廃止に関する法律等に基づき、ハンセン病療養所入所者に対する医療、福祉等の措置を講ずるとともに、退所希望者に対する社会復帰準備支援事業等を行っているところであり、引き続き同法の趣旨に沿った措置を講じてまいりたい。



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