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答弁本文情報

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平成十八年三月二十四日受領
答弁第一五四号

  内閣衆質一六四第一五四号
  平成十八年三月二十四日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員赤嶺政賢君提出小児救急医療体制の整備・充実に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員赤嶺政賢君提出小児救急医療体制の整備・充実に関する質問に対する答弁書



一の1から3までについて

 小児救急医療提供体制については、厚生労働省、総務省及び文部科学省で構成する「地域医療に関する関係省庁連絡会議」が設けた「小児科・産科における医療資源の集約化・重点化に関するワーキンググループ」が、平成十七年十二月二日に公表した「小児科・産科医師確保が困難な地域における当面の対応について」(以下「当面の対応についての報告書」という。)においては、「夫婦共働きの進行による夜間受診の増加」、「夜間診療を行わない小児科診療所の増加」、「親の専門医指向による病院受診の増加」などの要因により「病院の小児科に軽症患児が受診する事例が増大している」こと、「小児の診療は手間がかかることや特に入院診療が不採算であること」等の一般的な指摘があると報告されている。また、このような要因のほか、地域ごとの小児科医の偏在という要因により、小児救急医療を担う医師が厳しい勤務状況に置かれている場合があり、小児科に従事している医師の届出数は増加傾向にあるものの、小児救急医療を担う医師の確保が困難となっている病院が存在しており、小児救急医療提供体制の更なる整備及び充実が求められているものと認識している。

一の4について

 お尋ねについては、厚生労働省において、「医師・歯科医師・薬剤師調査」を二年ごとに実施し、その結果を、公表するとともに、同省のホームページに掲載している。

一の5について

 お尋ねについては、厚生労働省において、「医療施設静態調査」を三年ごとに実施し、診療科目別の医療施設の数について調査し、また、「医療施設動態調査」を毎月実施し、開設、廃止等のあった診療科目別の医療施設の数について調査し、それらの結果を、公表するとともに、同省のホームページに掲載している。

二の1及び2について

 小児救急医療提供体制の整備及び充実については、小児の症状に応じた医療が地域で迅速かつ適切に提供される体制が構築されることが重要であるとの考え方に基づき、医療機関の機能分化と業務の連携を図る体制の整備を推進しているところである。具体的には、初期救急医療を担う休日夜間急患センターの整備及び二次救急医療を担う入院が必要な小児救急患者に対応する小児救急医療拠点病院の整備等の推進を図っているところであり、三次救急医療を担う救命救急センターについても、整備の推進を図るとともに、平成十八年度からは新たに救命救急センターにおける小児専門集中治療室の設置等の推進を図る予定である。
 また、初期救急医療を担う休日夜間急患センター、二次救急医療を担う小児救急医療拠点病院及び三次救急医療を担う救命救急センターの整備の進ちょく状況については、厚生労働省において平成十七年三月二十四日の社会保障審議会医療部会の資料として「救急医療施設等設置状況」及び「二次小児救急医療体制等の取組状況」を作成し、同省のホームページに掲載しているところであり、各都道府県において積極的に小児救急医療提供体制の整備及び充実が現在、進められているところであると評価している。

二の3について

 医療保険制度における小児救急医療の診療報酬については、その評価の充実に努めてきたところであり、平成十八年四月からは、保険医療機関が深夜に六歳未満の乳幼児に対して診療を行った場合の加算点数の引上げ並びに保険医療機関が他の保険医療機関の医師と連携をとって夜間又は休日に六歳未満の小児を診療できる体制を構築して診療を行った場合の地域連携小児夜間・休日診療料の算定要件の緩和及び小児を二十四時間診療することができる体制を有する保険医療機関に係る地域連携小児夜間・休日診療料の点数の引上げを行うこととしているところであり、今後とも、小児救急医療に対する診療報酬上の適正な評価に努めてまいりたい。
 また、地域ごとの小児科医の偏在や一部の医療機関に患者が集中することによる小児科医の厳しい勤務については、厚生労働省において、乳幼児の保護者に対する急病時における対応を示したガイドブックの配布、小児救急医療に関する夜間における全国共通番号の電話相談窓口の設置等を推進するとともに、小児科医の確保が困難な地域について、圏域を設定し、小児科における医療資源の機能の集約化・重点化を通じて、小児科医の適切な勤務体制を確保しつつ、当該地域において医療機関の連携を図りつつ二十四時間体制で小児救急医療に対応できる体制の構築の検討を行うよう都道府県に要請しているところである。
 なお、御指摘の「小児科医の高齢化(診療小児科医の高齢化)」については、小児科医の平均年齢は上昇しているが、これをもって小児救急医療提供体制が脆弱化し、小児科医の勤務が厳しくなっているとは一概に言えないと考えている。また、「小児科医希望者の減少」については、具体的にそのような事実を把握していないことから、お答えすることは困難である。

三の1から3までについて

 御指摘の「政府の「小児科医等の確保が困難な地域における当面の対応策」」とは、当面の対応についての報告書の内容を踏まえた政府の対応(以下「当面の対応策」という。)を意味するものと考えるが、これに関しては、小児科医の偏在の問題については、医療資源の集約化・重点化を推進することが、住民への適切な医療を確保するために、当面最も有効な方策であるとの考え方に基づき、小児科医及び産科医の確保が困難な地域について圏域を設定し、医療機関の連携を図りつつ医療資源の集約化・重点化を進めるための計画を策定するよう、都道府県に要請しているところである。
 また、第百六十四回国会に提出した良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案(以下「法案」という。)において、小児救急医療については、法案による改正後の医療法(昭和二十三年法律第二百五号。以下「改正医療法」という。)第三十条の四第二項に規定する救急医療等確保事業として、医療計画において事業の目標等を定めることとするとともに、改正医療法第三十条の十二の規定において、都道府県は地域の医療関係者との協議の場を設け、医療従事者の確保等について必要な施策を定めることとし、当面の対応策がより実効的なものとなる枠組みの制度化を図ることとしている。さらに、改正医療法第三十条の九においては、「国は、医療計画の達成を推進するため、都道府県に対し、予算の範囲内で、医療計画に基づく事業に要する費用の一部を補助することができる。」とする規定を設けることとしている。
 なお、更なる小児救急医療提供体制の整備及び充実に向けた中長期的な取組方策については、これらの対応策の進ちょく状況等を踏まえて、検討すべきものであると考えている。

三の4について

 へき地、離島等における小児科医及び産科医の確保については、平成十八年度予算において、へき地又は離島に勤務する医師が、一時的に勤務地を離れる場合に、当該医師に代わって患者を診察する代診医の派遣要請にこたえるための制度の充実を図ることを予定しており、また、法案において、改正医療法第三十条の十二の規定を設け、へき地の医療における小児科医及び産科医等の医療従事者の確保を推進するため、都道府県は地域の医療関係者との協議の場を設け、必要な施策を定めることとし、実効性ある施策が検討される枠組みの制度化を図るなど、必要な措置を講ずることとしている。



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