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平成十九年十月十九日受領
答弁第一一一号

  内閣衆質一六八第一一一号
  平成十九年十月十九日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員鈴木宗男君提出富山県における冤罪判決に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鈴木宗男君提出富山県における冤罪判決に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の「富山事件」において被告人とされた方については、平成十四年四月十五日、強姦未遂等の事件(以下「未遂事件」という。)で逮捕され、同月十六日、富山地方検察庁高岡支部に送致された後、勾留されたが、同年五月五日、処分保留のまま釈放され、さらに、同日、別の事件である強姦等の事件(以下「既遂事件」という。)で逮捕され、同月七日、富山地方検察庁高岡支部に送致された後、勾留され、同月二十四日、既遂事件で起訴された後、同年六月十三日、未遂事件で起訴された。
 富山地方検察庁高岡支部検察官が、その間、「富山事件」において被告人とされた方の取調べを行い、同氏は、未遂事件に係る弁解録取において否認したものの、その後の取調べにおいては、一貫して両事件の被疑事実を自白していたところ、最高検察庁が調査・検討したところによれば、同氏が「積極的に犯行状況について供述するのではなく、検察官が」同氏を「誘導することにより供述を得ていたことが窺われる」とされているものと承知している。
 個別具体的な事件の捜査を担当する検察官の官職氏名については、今後の捜査活動に支障をもたらすおそれがあり、答弁を差し控えたい。

二について

 富山地方検察庁高岡支部においては、捜査の結果、「富山事件」において被告人とされた方が未遂事件及び既遂事件について自白していたことや両事件の被害者らの供述に基づいて作成された似顔絵と似ていたこと等の証拠を総合的に評価し、同氏を両事件につき起訴したものと承知している。

三及び四について

 お尋ねの「冤罪」については、法令上の用語ではなく、様々な意味で用いられることがあるものと承知しており、お尋ねについて一概に答弁することは困難である。

五について

 「富山事件」において被告人とされた方については、未遂事件及び既遂事件の両被害者の供述に基づいて作成された似顔絵と似ていたことから犯人ではないかとの疑いが生じ、両被害者がいわゆる写真面割において同氏の写真を犯人として選んだことや同氏が自白したこと等から、両事件について逮捕・起訴され、富山地方裁判所高岡支部において、同氏が公判廷で両事件の公訴事実を認める旨の供述をしたことを含め、公判廷で取り調べられた証拠に基づき、両事件につき有罪であると認定されて懲役三年に処する旨の判決が言い渡され、同判決に対する控訴がされないまま控訴期間が経過し同判決が確定したことから、同氏に対して刑の執行がなされ、同氏が服役するに至ったものと承知している。
 なお、御指摘の「富山事件」の捜査について、最高検察庁が調査・検討したところによれば、検察官において、客観的な証拠の吟味が十分ではなかったほか、自白の信用性について慎重に検討する姿勢が足りなかったなどとされているものと承知している。

六及び七について

 御指摘の「何らかの形で具体的な責任をとる」等の意味が必ずしも明らかではないが、「富山事件」において被告人とされた方の取調べを担当した検察官については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第一項に規定する懲戒処分に該当する事由はなかったと認められる上、御指摘の「富山事件」については、最高検察庁においてその捜査・公判活動について調査・検討し、組織として再発防止策を講じることとしており、同検察官及びその監督者について処分をするなどの必要はないものと考えている。



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