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答弁本文情報

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平成十九年十月二十六日受領
答弁第一二四号

  内閣衆質一六八第一二四号
  平成十九年十月二十六日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員鉢呂吉雄君提出最近のけん銃発砲事件等の警察捜査に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鉢呂吉雄君提出最近のけん銃発砲事件等の警察捜査に関する再質問に対する答弁書



一の(1)について

 北海道警察によると、函館方面本部地域課鉄道警察隊(以下「鉄警隊」という。)の隊員が函館駅駅員から通報を受けたのは、本年九月十日午前八時四十分ころであるとのことである。北海道警察が北海道旅客鉄道株式会社(以下「JR」という。)の別の職員から聴取したところによると、同職員が複数の一般人からけん銃を持っている者がいるとの申出や背中に固い物を突き付けられ、列車に乗れと言われたとの申出を受けたのは、同日午前八時二十分ころであるとのことである。
 また、北海道警察によると、お尋ねの具体的事情の詳細は確認されていないとのことである。

一の(2)について

 北海道警察によれば、御指摘の通報の具体的な内容は、JRにおいて函館駅のプラットホームに不審者がいるとの申出を受けて不審者を探したが発見には至らなかったことを伝えるとともに、鉄警隊において当該不審者に関する情報を入手しているかどうかを問い合わせるものであったとのことである。

二の(1)について

 北海道警察によると、本年九月十一日、函館方面本部地域課(以下「本部地域課」という。)の警察官に対する殺人未遂の被疑者として高成仁を現行犯逮捕し、同人が死亡したことにつき、函館方面函館中央警察署(以下「函館中央署」という。)が報道機関に同人の氏名を含めて発表したとのことである。

二の(2)について

 北海道警察によると、本年九月十一日に北海道函館市昭和町で発生した警察官に対する殺人未遂事件及び同月十日に函館駅構内のプラットホームで発生した暴力行為等処罰ニ関スル法律(大正十五年法律第六十号)違反事件については、両事件とも被疑者を高成仁として、本年十月二十三日に函館地方検察庁検察官に送致したとのことである。

二の(3)について

 北海道警察によると、御指摘のけん銃の入手先については、現在のところ不明であるとのことである。

二の(4)について

 警察において本年一月から八月末までの間に検挙したけん銃を使用した事件に関し、同期間中に押収したけん銃の数は、確定した数値ではないが、十丁である。これらのけん銃を譲り渡したとして検挙された者はいない。

二の(5)について

 警察において本年一月から八月末までの間に押収したけん銃の数(二の(4)についてにおいてお答えした十丁を除く。)は、確定した数値ではないが、三百三十四丁である。このうち二丁については、当該けん銃を譲り渡した者が検挙されている。

三の(1)の@について

 北海道警察によると、御指摘の通報を受けて函館駅構内に臨場したのは鉄警隊の隊員一名であるとのことである。

三の(1)のAについて

 北海道警察によると、鉄警隊の隊員が事情聴取をした時間は約四分であるが、お尋ねの捜索時間については、これを公にすることにより、同種の犯罪を企図する者が対抗措置をとるなど、今後の犯罪の捜査に支障を来すおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

三の(1)のBについて

 北海道警察によると、御指摘の隊員は、本部地域課通信指令室には、報告しなかったとのことである。

三の(1)のCについて

 三の(1)のBについてでお答えしたとおり、北海道警察によると、御指摘の隊員は、本部地域課通信指令室には、報告しなかったとのことである。

三の(1)のDについて

 北海道警察によると、本部地域課自動車警ら係は出動しなかったとのことである。

三の(1)のEについて

 北海道警察によると、御指摘の隊員は、けん銃に関する通報は受けていなかったとのことである。

三の(1)のFについて

 北海道警察によると、御指摘の隊員は、本年九月十日午前九時三十分ころ、自らが所属する鉄警隊の上司に函館駅駅員からの通報内容、同駅構内の捜索状況等を報告したとのことである。

三の(2)の@について

 北海道警察によると、函館方面函館西警察署(以下「函館西署」という。)函館駅前交番において御指摘の一般人から通報を受けたのは、本年九月十日午前九時三十五分ころであるとのことである。
 北海道警察によると、お尋ねの具体的事情の詳細は確認されていないとのことである。

三の(2)のAについて

 北海道警察によると、函館西署刑事第二課長(以下「刑事第二課長」という。)は、本年九月十日午前九時三十八分ころ、函館西署地域課長(以下「地域課長」という。)から、函館西署函館駅前交番に「けん銃のようなものを持っている男がいる」との通報があった旨の報告を受けたとのことである。

三の(3)の@について

 北海道警察によると、刑事第二課長は現場に臨場しなかったとのことである。

三の(3)のAについて

 北海道警察によると、刑事第二課長は、地域課長からの報告を受けて、函館西署の署員に函館駅構内及び同駅周辺において捜索及び聞き込みを実施させた結果、御指摘の「けん銃のようなもの」がけん銃であるかどうかを確認することができなかったとのことである。

三の(3)のBについて

 お尋ねの具体的な捜査内容等については、これを公にすることにより、犯罪を企図する者が対抗措置をとるなど、今後の犯罪の捜査に支障を来すおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

三の(3)のCについて

 北海道警察によると、刑事第二課長は、函館駅構内及び同駅周辺において捜索及び聞き込みを実施させたが、御指摘の事実を把握することはできなかったとのことである。

三の(3)のDについて

 北海道警察によると、刑事第二課長は、本年九月十日午前十一時過ぎころまでの間に、函館西署において、函館西署の刑事生活安全担当次長、副署長及び署長並びに函館方面本部捜査課(以下「本部捜査課」という。)の係長に対し、複数回にわたり、函館駅構内及び同駅周辺において捜索及び聞き込みを実施させているが、不審者の発見には至っていない旨等を報告したとのことである。

三の(3)のEについて

 北海道警察によると、刑事第二課長は、三の(3)のDについてでお答えした報告の際、函館西署において、函館西署の刑事生活安全担当次長等から、捜査範囲の拡大等の指示を受けたとのことである。

三の(4)の@について

 北海道警察によると、本部捜査課においては、本年九月十日午前九時五十九分ころ、刑事第二課長から、函館西署函館駅前交番に「けん銃のようなものを持っている男がいる」との通報があった旨の報告を受けたとのことである。

三の(4)のAについて

 北海道警察によると、本部捜査課機動捜査班の警部補等五名が現場に臨場したが、本部捜査課の課長等は臨場しなかったとのことである。

三の(4)のBについて

 北海道警察によると、本部捜査課の課長等は、函館方面本部において捜査の指揮をとることが適当であると判断したとのことである。

三の(4)のCについて

 北海道警察によると、函館西署函館駅前交番において、一般人から「けん銃のようなものを持っている男がいる」との通報を受けたのは、本年九月十日午前九時三十五分ころであり、本部捜査課機動捜査班員は、同日午前九時五十九分ころ、刑事第二課長から当該通報があった旨の報告を受けた後、直ちに現場に臨場したとのことである。

三の(4)のDについて

 北海道警察によると、本部捜査課機動捜査班においては、通報に係る不審者が現場周辺にいると断定したものではないが、当該不審者が現場周辺にいる可能性が否定できない状況において、多数の乗客等がいる函館駅構内及び同駅周辺の安全を確保することが重要であると判断したとのことである。

三の(4)のEについて

 北海道警察によると、本部捜査課機動捜査班員は、主として函館駅構内、周辺駐車場等の捜索を実施し、必要に応じて聞き込みを行ったとのことである。

四の(1)について

 警察庁としては、北海道警察においては、通報内容に応じ、迅速に通報者からの事情聴取、不審者の捜索、聞き込み等を行っており、本部捜査課及び函館西署が連携しつつ、適正な初動捜査が行われたものと考えている。

四の(2)について

 お尋ねについては、衆議院議員鉢呂吉雄君提出最近のけん銃発砲事件等の警察捜査に関する質問に対する答弁書(平成十九年十月五日内閣衆質一六八第五〇号。以下「前回答弁書」という。)Tの一の(4)についてでお答えしたとおり、これを公にすることにより、同種の犯罪を企図する者が対抗措置をとるなど、今後の犯罪の捜査に支障を来すおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

四の(3)について

 御指摘の「第二事件」の動機、背景等が明らかでないことから、お尋ねの要因についてお答えすることは困難である。

四の(4)について

 お尋ねについては、前回答弁書Tの一の(4)の@からEまでについてでお答えしたとおり、これを公にすることにより、同種の犯罪を企図する者が対抗措置をとるなど、今後の犯罪の捜査に支障を来すおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

四の(5)について

 お尋ねについては、前回答弁書Tの一の(4)の@からEまでについてでお答えしたとおり、これを公にすることにより、同種の犯罪を企図する者が対抗措置をとるなど、今後の犯罪の捜査に支障を来すおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

四の(6)について

 お尋ねについては、前回答弁書Tの一の(4)の@からEまでについてでお答えしたとおり、これを公にすることにより、同種の犯罪を企図する者が対抗措置をとるなど、今後の犯罪の捜査に支障を来すおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

五の(1)について

 北海道警察によると、函館中央署においては、報道機関に対し、本年九月十日午後十一時五十九分ころ、北海道亀田郡七飯町のホテル前路上において同日午後十時ころ女性がけん銃で脅されて車両を奪われる強盗事件が発生した旨の報道メモを配布し、同月十一日午前三時三十分ころ、北海道函館市昭和町において同日午前零時三十五分ころ本部地域課の警ら用無線自動車が当該車両を発見し停止させたところ、当該車両を運転していた高成仁がけん銃を発射したので、警察官が高成仁に対しけん銃を発射したところ、胸部に命中し、搬送先の病院で高成仁の死亡が確認された旨の報道メモを配布し、必要に応じ、函館中央署副署長がそれぞれの報道メモについて説明を行ったとのことである。
 また、本年九月十二日午後七時二十分ころから、函館方面本部において、同方面本部総括参事官及び函館中央署副署長が、同月十日午前八時四十分ころ函館駅駅員から「函館駅構内に不審者がいる」との通報が鉄警隊に、同日午前九時三十五分ころ一般人から「けん銃のようなものを持っている男がいる」との通報が函館西署函館駅前交番に、同日午後五時ころ一般人から「けん銃のようなものを突き付けられた」との通報が鉄警隊にそれぞれ寄せられ、捜索活動や聞き込み等が行われたが、不審者の発見には至らなかった旨等を発表したとのことである。

五の(2)について

 北海道警察によると、本年九月九日及び十日以降の高成仁の行動の詳細については、発表していないとのことである。

五の(3)について

 五の(2)についてでお答えしたとおり、北海道警察によると、本年九月九日及び十日以降の高成仁の行動の詳細については、発表していないとのことである。

六の(1)について

 海外からのけん銃密輸入事件に関して警察が押収したけん銃の数は、平成五年は六十丁、平成六年は六十四丁、平成七年は九丁、平成八年は十四丁、平成九年は三十八丁、平成十年は九丁、平成十一年は十九丁、平成十二年は百十四丁、平成十三年は零丁、平成十四年は十丁、平成十五年は十三丁、平成十六年は四丁、平成十七年は四丁及び平成十八年は十二丁である。

六の(2)について

 警察庁において把握している限りでは、捜査員がけん銃の真の所有者を把握していながら、故意に当該所有者を検挙せずに押収したけん銃の数は、平成七年は六丁、平成八年は一丁、平成十三年は二丁及び平成十四年は一丁である。

六の(3)について

 お尋ねについては、けん銃の真の所有者から依頼を受けて、けん銃を押収する一方で、当該けん銃に係る事件については、被疑者不詳として送致したもの等がある。

六の(4)について

 六の(2)についてで述べたけん銃に関して、けん銃の真の所有者等を銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号。以下「銃刀法」という。)違反で検挙した事件の数は、平成七年は三件、平成十三年は二件及び平成十四年は一件である。

六の(5)について

 警察庁において把握している限りでは、六の(2)についてで述べたけん銃に関して、けん銃の真の所有者等を隠すために当該けん銃を自己の物として提出した者を刑法(明治四十年法律第四十五号)第百三条又は第百四条で検挙した事件の数は、平成五年から平成十八年までの間は零件である。

六の(6)について

 六の(2)についてで述べたけん銃に関して、警察官を銃刀法違反で検挙した事件の数は、平成七年は三件、平成十三年は二件及び平成十四年は一件であり、刑法第百三条又は第百四条で検挙した事件の数は、平成五年から平成十八年までの間は零件である。

七の(1)について

 警察官の捜査技術は、個人により異なることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、けん銃摘発に従事する警察官には、厳しい捜査環境に十分対応できるだけの情報収集、取調べその他の捜査技術の習得が必要であると考えている。このような捜査技術の習得に向け、警察では、現場の警察官に対し、職場教育、訓練等を行っているところであり、今後も引き続き行っていくこととしている。

七の(2)について

 お尋ねについては、例えば、暴力団等の犯罪組織に係る事件の積極的な検挙を通じての情報収集等が挙げられる。

七の(3)について

 七の(1)についてでお答えしたとおり、警察では、情報収集、取調べその他の捜査技術の習得に向け、現場の警察官に対し、職場教育、訓練等を行っているところであり、今後も引き続き行っていくこととしている。

七の(4)について

 お尋ねについては、例えば、銃器捜査の専門家及び若手捜査員の育成、警察署に対する警察本部による組織的な捜査管理及び指導の徹底等が挙げられる。

八の(1)について

 けん銃に係る捜査に伴う違法行為は、基本的には、個々の職員の職務倫理意識の欠如、業務管理の不徹底等に起因すると考えられるが、その具体的な要因については、個別具体的な事情によるので、一概にお答えすることは困難である。

八の(2)について

 警察庁では、各種会議等における適正捜査及び捜査管理の徹底の指示、警察大学校における講義等を通じ、都道府県警察の警察官に対するきめ細かな指導及び教育を行っているところである。

九の(1)について

 近年、警察による暴力団構成員又は準構成員からのけん銃の押収数が減少傾向にある背景には、暴力団等の犯罪組織が違法銃器の隠匿、密輸、密売等の方法を巧妙化させていることのほか、一部の暴力団において、当該暴力団の構成員に対し、警察官との接触を禁止するなどの対抗措置がとられたことにより、警察の現場におけるけん銃に係る捜査をめぐる環境が従前にも増して厳しくなっている状況があると考えている。

九の(2)について

 警察では、暴力団がけん銃等三丁以上を管理していた事件を平成十六年四月から同年末までの間は八件、平成十七年は十一件、平成十八年は七件摘発しており、その具体的な内容の例は、次のとおりである。
 平成十六年には、京都府において、五代目会津小鉄会傘下組織幹部が管理する家屋を捜索し、けん銃等七丁及び実包二百七十五個を押収するとともに、当該幹部を逮捕した。
 平成十七年には、福岡県において、太州会傘下組織幹部が管理する倉庫等を捜索し、けん銃八丁及び実包百六十三個を押収するとともに、当該幹部等を逮捕した。
 平成十八年には、岩手県において、六代目山口組傘下組織幹部の交友者宅を捜索し、けん銃四丁及び実包八十九個を押収するとともに、当該幹部等を逮捕した。

九の(3)について

 平成十七年三月、松葉会傘下組織組長等による銃刀法違反事件を摘発し、当該摘発を端緒として同傘下組織を壊滅させた事例があるが、お尋ねの各年別の件数及び内容は、把握していない。

九の(4)について

 前回答弁書Uの三の(2)についてでお答えしたとおり、暴力団対策部門と銃器対策部門との間で情報共有等の連携強化が図られたことにより、組織的管理に係るけん銃の連続的な摘発、暴力団が管理する銃器の摘発を端緒とした当該暴力団の壊滅等がなされるなど、組織犯罪対策として、一定の成果が上がりつつあるところであるが、御指摘のように、本年に入り、銃器発砲を伴う凶悪事件が相次いで発生したことを踏まえ、暴力団等の犯罪組織により隠匿されているとみられるけん銃等の違法銃器を摘発し、銃器犯罪の根絶を図るべく、銃器情報の収集、関係機関との連携等を更に積極的に推進する必要があると認識している。

十の(1)について

 これまでに御指摘のような業務の移管を行った事実はない。

十の(2)について

 十の(1)についてにおいてお答えしたとおり、御指摘のような業務の移管を行った事実はない。



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