答弁本文情報
平成十九年十一月十六日受領答弁第二〇〇号
内閣衆質一六八第二〇〇号
平成十九年十一月十六日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員佐々木憲昭君提出東海環状自動車道西回りルート・岐阜市御望山周辺計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員佐々木憲昭君提出東海環状自動車道西回りルート・岐阜市御望山周辺計画に関する質問に対する答弁書
一の@及びBについて
御指摘の平成十六年三月一日の衆議院予算委員会第八分科会における石原国土交通大臣(当時)の答弁に示された認識に変わりはない。
御望山調査検討会(以下「検討会」という。)は、平成八年度に行われた東海環状自動車道(岐阜県関市広見から岐阜県養老郡養老町大跡までの区間)の都市計画決定の手続の際、岐阜県都市計画審議会において、事業実施段階で、「今後行われる地質調査等必要な調査結果を公表し、安全性について、地域住民に十分説明すること」との附帯意見が付されたことを踏まえ、地質学及び土木工学の専門家、地域住民の代表者並びに関係行政機関の代表者を委員として設置したものであり、地域住民の意見を反映しつつ、専門的・技術的見地からの調査及び検討を行うという役割を十分果たしたものと考えている。
国土交通省においては、平成十八年三月十九日の検討会において取りまとめられた「御望山調査検討会報告書」(以下「報告書」という。)を踏まえ、現在、御望山周辺の東海環状自動車道の都市計画に定められた道路の区域(以下「都市計画ルート」という。)の再検討を行っているところであるが、再検討を行うに当たっては、道路の区域の案として、都市計画ルートと、御望山の南、北、山中を通過する三つのルート帯を提示し、これらの道路の区域の案に関して周辺の土地利用及び生活環境に与える影響、事業に要する費用等の客観的な情報を明らかにした上で、地域住民の意見や今後実施される地質の現地調査の結果等を総合的に勘案しつつ、最も適切な道路の区域の案を選定することとしている。
道路の区域の案の提示に当たり、都市計画ルートについても、周辺の土地利用及び生活環境に与える影響等の面において有利な案であるとともに、都市計画決定の手続を経て合意された道路の区域でもあることから、案の一つとして、地域住民等の意見を聴くこととしたものである。
また、御望山の山中をトンネルで通過するBルート帯については、国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所(以下「岐阜国道事務所」という。)が現在までに実施した調査結果に基づき、トンネルの施工による地山の緩みがほとんど生じないと予測しており、都市計画ルートの利点を大きく損なうことなく、地滑り等に対してより安全性が高いと考えられることから、案の一つとして、地域住民等の意見を聴くこととしたものである。
検討会については、平成十八年三月十九日に開催された第十一回検討会において報告書が取りまとめられ、最終的な結論を得たところであり、この日をもって検討会は終了している。このため、今回、都市計画ルートの再検討を行うに当たって提示した道路の区域の案については、検討会にお諮りしていない。なお、参考までに、この道路の区域の案の公表と同時に報告書の作成当時の地質学及び土木工学の専門家の委員全員に対し、当該再検討の手続及び当該案について情報提供を行ったところ、うち、一名から岐阜国道事務所が平成十九年九月二十八日に発行した「道からの手紙」の当該再検討についてのアンケートに対する回答として意見をいただいているところであり、これについては当該アンケートの集計結果がまとまり次第、その内容をとりまとめて公表することとしている。
また、平成十八年六月に都市計画ルートの再検討に着手以降、トンネル工学、地滑り等の分野における専門家の意見を聴取しているところである。当該専門家の氏名については、意見の聴取に当たって公にすることは前提としておらず、また、公にすることによって、今後の都市計画ルートの再検討における率直な意見の交換を阻害するおそれがあること等から、お答えすることは差し控えたい。
提示している道路の区域の案のうち、御望山の北を通過するCルート帯におけるインターチェンジは、都市計画ルートにおけるインターチェンジと異なる場所にあり、「今回の三つの比較ルート案においても、インターチェンジの位置だけは都市計画ルート以来、一貫して変わっていない」との御指摘は当たらない。
御指摘の「ルート」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、現在行っている都市計画ルートの再検討は、御望山周辺を対象としているものである。岐阜市椿洞地区周辺の東海環状自動車道の都市計画に定められた道路の区域については、産業廃棄物の不法投棄に対する岐阜市の処理方針が決定され次第、必要に応じて検討することとしている。
岐阜国道事務所においては、平成十九年十月十七日から十月二十五日までの間において、西部コミュニティセンター、方県公民館、網代公民館、西郷公民館及び常磐公民館において、各一回、説明会を開催しており、合計約六百名の地域住民が参加している。お尋ねの「有権者比率」については、これに参加したこれら地域住民の方々の中での選挙権を有する者の割合とすれば、調査を行った訳ではないので不明である。
また、都市計画ルートの再検討を行うに当たっては、第二千成団地の住民を含めた地域住民に対して、今後とも検討の過程や考え方について説明を行うこととしている。
「道からの手紙」のアンケートの集計については、平成十九年十一月八日までの投函をお願いしており、個人情報の保護等に留意しつつ、集計結果がまとまり次第、岐阜国道事務所のホームページ等においてその内容を公表することとしている。
二のAについてで述べたとおり、検討会は終了しており、検討会の再度の開催は予定していないが、都市計画ルートの再検討を行うに当たっては、地域住民及びトンネル工学、地滑り等の分野における専門家に対して積極的に情報提供を行うとともに、幅広く意見を聴くことが重要であると考えている。
都市計画ルートの再検討については、道路の区域の案に関し、地域住民の意見や地質の現地調査の結果等を総合的に勘案しつつ、最も適切な道路の区域の案を選定することとしている。その検討内容及び結果の公表の時期については、現時点では未定であるが、まとまり次第公表することとしている。
都市計画ルートの再検討を行うに当たっては、地域住民及びトンネル工学、地滑り等の分野における専門家の意見を踏まえつつ進めることとしている。道路整備を進めていくに当たり、安全性が重要な要素であるとの認識に変わりはなく、安全の確保に万全を期してまいりたい。