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平成二十年一月十一日受領
答弁第三五〇号

  内閣衆質一六八第三五〇号
  平成二十年一月十一日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員鈴木宗男君提出在外公館の災害時における安全確保等在留邦人保護に対する体制に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鈴木宗男君提出在外公館の災害時における安全確保等在留邦人保護に対する体制に関する再質問に対する答弁書



一について

 御指摘の「邦人保護事務の手引き」とは、海外で事件、事故、災害等緊急事態が発生した場合に、初任者でも邦人保護事務を適切に行えるよう一般的な事務の目安を示しているものであり、実際に海外における邦人保護事務に当たっては、同手引きを基にしつつ、在外公館の体制及び現地事情等に応じた邦人保護事務を行うことを認めている。

二から五までについて

 御指摘の総務省の調査が行われた時点でのベルギーの在留邦人数は、六千六百五十八人(平成十八年に実施した海外在留邦人数調査による。)である。
 ベルギーにおける一般的な通信事情に特段の支障はないが、在ベルギー日本国大使館では、在留邦人の受信手段等通信上の便宜を勘案しつつ、ふだんより在留邦人への連絡に際しては、電子メールの同大使館に登録されている電子メールアドレスへの一斉送信に加え、日本人会及び日本人学校を通じた伝達依頼等を組み合わせて情報伝達を行っている。同様に、在タイ日本国大使館及び在チェコ日本国大使館等において、電話連絡網方式による伝達よりも在外公館からの電子メール一斉送信及び現地日本人関係団体・企業等を通じた緊急情報の伝達手段を適宜組み合わせて行う方が、多くの邦人により迅速に情報伝達が可能という点で有効である場合もあると考えている。また、情報伝達訓練については、ふだんから在外公館からのお知らせ等種々の情報伝達を行っており、実際の情報伝達においてこれまで特段の支障は生じていない。外務省としては、御指摘の勧告の指摘を踏まえつつ、その訓練の頻度・在り方を含め、在外公館からの緊急情報伝達等がより一層有効的に機能するよう改善に努めていく考えである。

六、七及び二十一について

 外務省としては、在留邦人及び邦人短期旅行者が多い国・地域並びに邦人援護件数が多い国・地域の在外公館において、閉館時の緊急連絡に一層的確に対応できるよう、緊急電話連絡への応対を日本語及び現地語で行い、緊急事案について的確に担当館員への通報を行う業務の外部委託を導入してきている。在インド日本国大使館についても、これまでの邦人保護事務に関し特段の支障が生じているとは考えていないが、近年の渡航者数及び援護件数の増加を踏まえ、業務の外部委託の導入を検討しているところである。

八について

 平成二十年一月現在のお尋ねの国の治安状況は次のとおりである。
 マレーシアについては、東マレーシア(ボルネオ島)の一部沿岸部で過去に誘拐事件が発生したため危険情報を発出しているが、一般的に国内の治安状況は安定している。
 シンガポールについては、一般的に国内の治安状況は安定している。
 メキシコについては、メキシコ市の一部の地域及び国内の一部の都市において、凶悪犯罪、麻薬組織や不法入国者による犯罪により不安定な治安状況がみられるが、国内の治安状況はおおむね安定している。
 コロンビアについては、左翼ゲリラによるテロ・誘拐あるいは麻薬組織による犯罪等の脅威もあり全土に危険情報を発出している。
 イランについては、イラクやアフガニスタンとの国境付近及び南東部において誘拐事件の発生等不安定な治安状況がみられるが、首都テヘラン等その他の地域についてはおおむね治安状況は安定している。
 ニューヨークについては一般犯罪の発生はみられているが、治安状況は安定している。

九について

 外務省では、渡航先の最新の治安情勢及び安全対策について、各国の治安情勢と安全対策の目安となる「危険情報」及び限定された期間・場所で生じた事件・事故などの情報に関する速報として「スポット情報」並びに防犯・危険回避に役立つ各国・地域の基礎情報として「安全対策基礎データ」等を適宜改訂の上発出し随時注意喚起を行っている。「安全の手引き」については、かかる渡航情報は踏まえつつも、潜在的な危険に対する生活上の安全対策を冊子として提供することを前提としているため、渡航情報と比べればより一般的な情報となっていることから、頻繁な改訂を行わなかったものである。また、在メキシコ日本国大使館及び在コロンビア日本国大使館では、御指摘の項目が全く盛り込まれていないわけではなく、それぞれ作成する「安全の手引き」において、防犯上の心得及び対策が盛り込まれている。
 緊急事態に備えた訓練については、現地事情及び在外公館の体制等に応じて、その実施の要否及び頻度並びに形態が異なっていることは必ずしも問題があるとは考えておらず、御指摘の在外公館において、これまでの邦人保護業務に関し特段の支障が生じているとは考えていない。外務省としては、今後さらに、「緊急事態対処マニュアル」に基づく訓練の在り方を含め在外公館の緊急対応体制の強化を図っていく考えである。

十について

 先の答弁書(平成十九年十一月三十日内閣衆質一六八第二五四号)の七についてでは、在外公館において緊急備蓄品が実際に利用可能である旨、誤解のないようお答えしたつもりであるが、今後、御指摘の勧告の指摘も踏まえ、備蓄品の適切な管理に一層の徹底を図っていく考えである。

十一について

 御指摘の根拠については、先の答弁書(平成十九年十一月三十日内閣衆質一六八第二五四号)の一について、三について、四について、五及び六について、七について、八から十までについて並びに十一から十三までについてで述べたとおりである。

十二について

 外務省としては、これまでも在外公館においては現地事情に即した対応をとるよう努めてきたと考えているが、御指摘の勧告により指摘された諸点を再度点検しつつ、邦人保護体制の強化の観点から改善すべき点は改善していく考えである。

十三から二十までについて

 御指摘の緊急事態用備蓄品については、利用者の安全性の観点から、国内の災害用として備蓄されているものと同程度の保存の安定性、使用の簡便性及び耐久性に優れた災害時備蓄用の保存水及び保存食品を調達しており、近年の海外における保存食品及び保存水の供給状況等をも勘案しつつ、御指摘の総務省による調査以前からも、現地調達の可否につき検討してきているところであり、同調査時点で現地調達されていないことがすなわち現地で調達できないと決定した訳ではない。御指摘の三公館についても、その時点の現地における保存水の供給状況等を勘案しつつ検討を行った上で判断したものと考えている。
 また、御指摘の総務省の調査対象以外の在外公館のうち、在東ティモール日本国大使館、在ラオス日本国大使館、在オーストラリア日本国大使館、在ニュージーランド日本国大使館、在フィジー日本国大使館、在アメリカ合衆国日本国大使館、在カナダ日本国大使館、在ウルグアイ日本国大使館、在キューバ日本国大使館、在グアテマラ日本国大使館、在コスタリカ日本国大使館、在チリ日本国大使館、在パナマ日本国大使館、在ブラジル日本国大使館、在ボリビア日本国大使館、在アゼルバイジャン日本国大使館、在ウクライナ日本国大使館、在オーストリア日本国大使館、在ギリシャ日本国大使館、在クロアチア日本国大使館、在スイス日本国大使館、在スウェーデン日本国大使館、在スロベニア日本国大使館、在ドイツ日本国大使館、在フィンランド日本国大使館、在ポーランド日本国大使館、在ポルトガル日本国大使館、在ルクセンブルク日本国大使館、在アフガニスタン日本国大使館、在オマーン日本国大使館、在カタール日本国大使館、在シリア日本国大使館、在ヨルダン日本国大使館、在レバノン日本国大使館、在アルジェリア日本国大使館、在ウガンダ日本国大使館、在カメルーン日本国大使館、在コートジボワール日本国大使館、在コンゴ民主共和国日本国大使館、在ザンビア日本国大使館、在チュニジア日本国大使館、在済州日本国総領事館、在釜山日本国総領事館、在広州日本国総領事館、在重慶日本国総領事館、在瀋陽日本国総領事館、在ホーチミン日本国総領事館、在コタキナバル日本国総領事館、在ペナン日本国総領事館、在シドニー日本国総領事館、在パース日本国総領事館、在ブリスベン日本国総領事館、在メルボルン日本国総領事館、在オークランド日本国総領事館、在アトランタ日本国総領事館、在サンフランシスコ日本国総領事館、在デトロイト日本国総領事館、在ヒューストン日本国総領事館、在ポートランド日本国総領事館、在ボストン日本国総領事館、在ホノルル日本国総領事館、在マイアミ日本国総領事館、在カルガリー日本国総領事館、在モントリオール日本国総領事館、在クリチバ日本国総領事館、在ベレン日本国総領事館、在ミラノ日本国総領事館、在エディンバラ日本国総領事館、在バルセロナ日本国総領事館、在ミュンヘン日本国総領事館、在マルセイユ日本国総領事館、在ドバイ日本国総領事館、在ウィーン国際機関日本政府代表部、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部、軍縮会議日本政府代表部、経済協力開発機構日本政府代表部及び国際連合教育科学文化機関日本政府代表部の各在外公館においては、現地調達の可否を検討した結果、現在、既に保存水を現地にて調達している。

二十二及び二十三について

 外務省では、在外公館の休館時においても、邦人保護及び行政サービス等の観点から、それぞれの在外公館の人員体制及び現地事情に応じて在外邦人等の緊急の要請に対応できる体制を敷いてきていることから、現時点で領事業務について休館日を設けずに業務を行うことは考えていない。



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