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答弁本文情報

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平成二十一年三月二十七日受領
答弁第二二六号

  内閣衆質一七一第二二六号
  平成二十一年三月二十七日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員照屋寛徳君提出在沖米軍基地勤務の駐留軍労働者・退職者のアスベスト被害救済に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員照屋寛徳君提出在沖米軍基地勤務の駐留軍労働者・退職者のアスベスト被害救済に関する質問に対する答弁書



一について

 平成二十年十二月末までにおいて、石綿にばく露したことにより発症する疾患である肺がん及び中皮腫による沖縄県内における労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づく保険給付(以下「労災保険給付」という。)の請求件数は二十九件であり、このうち駐留軍等労働者及びその退職者(以下「駐留軍等労働者等」という。)に係る請求件数は十三件、その他の労働者に係る請求件数は十六件である。また、その認定件数は十七件であり、このうち駐留軍等労働者等に係る認定件数は九件、その他の労働者に係る認定件数は八件である。
 平成二十年十二月末までにおいて、沖縄県内における石綿による健康被害の救済に関する法律(平成十八年法律第四号。以下「石綿救済法」という。)に基づく給付の請求件数は六十一件、認定件数は二十件であるが、駐留軍等労働者等及びその他の労働者に係る請求件数及び認定件数の内訳は把握していない。
 沖縄県内におけるこれらの請求件数及び認定件数については母数が少ないこと等から、お尋ねの被害状況について評価することは困難である。

二について

 労働者災害補償保険法及び石綿救済法に基づき石綿による中皮腫に起因する死亡として認定された者の件数を人口動態統計に基づく中皮腫に起因して死亡した者の件数で除すと、全国については〇・四七、沖縄県については〇・二一となる(平成七年一月から平成十九年十二月までの死亡者に限る。)。
 これらの値については、人口動態統計に基づく都道府県別の死亡件数は死亡者の住所地によって分類され計上されているのに対し、労働者災害補償保険法に基づく都道府県別の認定件数は最後に石綿作業に従事した事業場の所在地によって分類され計上されていること等から、全国と沖縄県の値を単純に比較して評価することは困難である。

三及び四について

 お尋ねの「証言集」が具体的にどのようなものを指すのか必ずしも明らかではないが、防衛省においては、駐留軍等労働者等が従事していた業務内容等に係る記録を保有しており、労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第五十三条第一項に掲げる要件に該当する駐留軍等労働者等が健康管理手帳の交付を申請しようとする場合には、その駐留軍等労働者等が従事していた事業場の主な業務内容等を証明しているところであり、今後とも適切に対処してまいりたい。

五について

 沖縄が昭和四十七年に我が国に復帰する前に労働者災害補償(一九六一年高等弁務官布令第四十二号。以下「布令第四十二号」という。)の適用を受けていた米軍関係労働者(以下「米軍関係労働者」という。)のうち、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(昭和四十七年条約第二号。以下「沖縄返還協定」という。)についての合意された議事録(昭和四十七年外務省告示第五十三号)に規定するアメリカ合衆国政府又はその機関の被用者(以下「米国に直接雇用されていた者」という。)については、復帰前に被災した労働災害に係る災害補償に関しては、沖縄返還協定に基づき、アメリカ合衆国政府に請求できることとされており、復帰後に被災した労働災害に係る災害補償に関しては、労働者災害補償保険法に基づき、我が国の駐留軍等労働者として労災保険給付を請求できることとされている。
 また、米軍関係労働者のうち、米国に直接雇用されていた者以外の者については、復帰前に被災した労働災害に係る災害補償に関しては、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)に基づき、布令第四十二号に規定する補償水準によって補償が行われることとされており、復帰後に被災した労働災害に係る災害補償に関しては、同法に基づき、労災保険給付を請求できることとされている。

六について

 沖縄県においては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第十八条5の規定は、復帰後から適用されてきている。

七について

 沖縄の復帰前に米軍に雇用されていた者に係る石綿による被害に対する補償については、雇用形態や被害に至った状況等個別具体的な事例に則して対応していくものと考えており、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

八について

 御指摘の「損害賠償請求」については、日米地位協定第十八条5(e)(A)等の規定に従い、日米間で分担することとしており、今後、アメリカ合衆国に請求すべき部分については、その分担を求めていくこととしている。

九について

 御指摘の「損害賠償請求」については、日米地位協定第十八条5(e)(A)の規定に従い、日米間で均等に分担することで合意され、アメリカ合衆国に請求すべき部分については、既に同国から償還を受けたところである。



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