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答弁本文情報

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平成二十一年三月二十七日受領
答弁第二二七号

  内閣衆質一七一第二二七号
  平成二十一年三月二十七日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員高井美穂君提出国立病院における向精神薬ジプレキサの過剰投与に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員高井美穂君提出国立病院における向精神薬ジプレキサの過剰投与に関する質問に対する答弁書



一について

 厚生労働省において再度確認した限りでは、国立精神・神経センター武蔵病院(以下「武蔵病院」という。)におけるジプレキサの投与に係る診療報酬の請求のうち、平成十九年度に社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険団体連合会(以下「支払基金等」という。)において、「医学的に適応と認められないもの」等の理由により、減額査定が行われたものの件数は四十件であり、当該減額査定により減額された金額は約八十五万円である。

二について

 お尋ねについては、平成二十一年三月十二日の高井美穂議員事務所から武蔵病院におけるジプレキサの過剰投与に関する質問があったことから、厚生労働省において事実関係を調査し、把握したものである。

三について

 厚生労働省において、支払基金等から武蔵病院に通知された文書を確認したところ、一についてでお答えした四十件のうち、「医学的に適応と認められないもの」とされたものが四件、「医学的に過剰・重複と認められるもの」とされたものが三十六件あった。
 また、ジプレキサの投与の量については、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)上の承認を受けた用法・用量において一日当たり二十ミリグラムを超えないこととされているところ、一日当たり四十ミリグラム処方したため一日当たり二十ミリグラム分につき診療報酬の請求が減額査定されたと考えられるものが二十一件、一日当たり三十ミリグラム処方したため一日当たり十ミリグラム分につき診療報酬の請求が減額査定されたと考えられるものが七件あった。このほか、薬事法上の承認を受けた用法・用量の範囲内であったものの、一回の処方当たりの投与回数が過剰と判断されたため、診療報酬の請求の一部が減額査定されたと考えられるものが八件あった。
 お尋ねのジプレキサに係る副作用の有無については、調査に膨大な時間を要することから、お答えすることは困難である。

四について

 お尋ねの事実については把握しておらず、また、当該事実に関する報道があったことについても承知していない。
 また、厚生労働省において武蔵病院に聞いたところ、現時点においては、お尋ねの「オフラベルプロモーション」が行われた事実は確認されていないとのことである。

五について

 お尋ねのジプレキサの添付文書の使用上の注意(以下単に「使用上の注意」という。)の警告の項目には、「著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、本剤投与中は、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。」及び「投与にあたっては、あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。」との記載がある。
 また、使用上の注意の禁忌(次の患者には投与しないこと)の項目には、「昏睡状態の患者」、「バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者」、「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者」、「エピネフリンを投与中の患者」及び「糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者」との記載がある。
 さらに、使用上の注意の過量投与の項目には、その徴候及び症状として、「頻脈」、「激越/攻撃性」、「構語障害」、「種々の錐体外路症状」、「鎮静から昏睡に至る意識障害」、「譫妄」、「痙攣」、「悪性症候群様症状」、「呼吸抑制」、「吸引」、「高血圧あるいは低血圧」、「不整脈」及び「心肺停止」との記載があり、薬事法に基づく副作用報告においては、例えば、過量投与により、頻脈等の徴候及び症状があらわれた疑いがあるとの報告がなされている。

六について

 薬事法上の承認を受けた効能・効果、用法・用量等以外の医薬品の使用(以下「適応外使用」という。)については、個々の医師の判断によりこれを行うことは禁止されているものではないが、医師は、患者に適切な説明を行い、患者の理解を得るよう努めた上で、患者の状態、現在得られている医学的知見等を踏まえた専門的な判断により、個々の事例に則して適切に適応外使用を行うべきであると考えている。なお、適応外使用が行われた医薬品は、原則として、医療保険の給付対象としていないところである。

七について

 厚生労働省としては、医薬品の副作用報告制度において企業等からの副作用に係る情報の収集、整理及び調査を行う中で、ジプレキサのオフラベル使用の状況についても把握し、必要に応じ、安全対策を講じてまいりたい。



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