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答弁本文情報

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平成二十一年七月十四日受領
答弁第六三六号

  内閣衆質一七一第六三六号
  平成二十一年七月十四日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員阿部知子君提出臓器移植医療の実態に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出臓器移植医療の実態に関する質問に対する答弁書



一の(一)について

 社団法人日本臓器移植ネットワーク(以下「ネットワーク」という。)における公表資料によると、お尋ねの死亡例については、平成二十一年二月九日現在、心臓移植が二例、肺移植が十三例、心肺同時移植は該当なし、肝臓移植が十四例、膵臓移植は該当なし、膵腎同時移植が一例、腎臓移植が九例、小腸移植が一例となっている。
 また、レシピエント(臓器等の受容者)の生存期間については、ネットワークの調査により把握しているところであるが、その結果については、心停止下であるか脳死下であるかを区別せず、臓器提供事例全体の生存率として統計処理を行った上で、厚生労働省による国会報告という形で公表しているところであり、お尋ねについても、当該国会報告に基づいて、お答えすることとしたい。臓器提供の事例数としては、平成二十年三月末日現在で、脳死下における臓器提供事例が六十六例、心停止下における臓器提供事例が千八十三例あるが、平成二十年十一月の国会報告によると、これらの事例についての五年後の生存率は、心臓移植が九十二・八パーセント、肺移植が六十・〇パーセント、肝臓移植が七十二・六パーセント、膵臓移植が九十七・三パーセントとなっている。また、腎臓移植については、平成十九年十二月末日現在で、脳死下における臓器提供事例六十三例及び心停止下における臓器提供事例千五十二例について、その五年後の生存率は、八十九・一パーセントとなっている。
 なお、小腸移植については、実施後五年が経過している事例はない。

一の(二)及び(三)について

 お尋ねについては、把握していない。

二の(一)について

 厚生労働省においては、ネットワークの協力を得て、教育用普及啓発パンフレットを作成し、毎年、全国すべての中学校及び都道府県教育委員会等に送付しているところであり、当該パンフレットを活用した授業が行われた事例もあると承知している。また、パンフレットの作成及び送付に要する経費としては、平成二十一年度においては、千二百九十七万四千円を予算に計上しているところである。
 また、ネットワーク及び都道府県においては、医療従事者も対象として、適正な移植医療を推進するための普及啓発活動を行っているところであり、政府としては、これらの活動に対して助成を行っているところである。平成二十一年度においては、ネットワークに対する助成に要する経費として、四千二百三十三万五千円を予算に計上するとともに、都道府県に対しては、二億二千二百七十九万七千円の地方交付税措置を講じているところである。

二の(二)について

 お尋ねの「人の死と脳死の関係」及び「脳死と臓器提供の関係」については、教育用普及啓発パンフレットにおいて、「人は@心臓の停止A呼吸の停止B瞳孔の散大(脳機能の消失)という三つの徴候を確認した時点を心臓死としていました。しかし、医学の進歩により、人工呼吸器などが開発されると、全脳の機能が停止して本来心臓死を迎える状況でも、器械によって呼吸を維持し、心臓を動かし続けることができる場合もみられるようになりました。この状況を脳死といいます。」、「一九九七年一〇月一六日、日本でも臓器移植法(「臓器の移植に関する法律」)ができ、脳死で臓器を提供する場合に脳死を人の死とすることになりました。」、「脳死での臓器提供は、高度な救急医療のできる病院で、適切な治療をしても残念ながら脳死となってしまった人が、生きているときに臓器提供の意思を書面で表示していて、なおかつ家族が拒まない時に行うことができます。」といった説明が、絵や図とともに記載されているところである。
 そのほかのお尋ねの点については、記載されていない。

三について

 お尋ねの原因としては、「幼児死亡の分析と提言に関する研究」(平成二十年度厚生労働科学研究費補助金事業)の報告書において、中核病院となるべき大学病院、小児病院等に小児重症患者を受け入れる小児集中治療室が十分整備されていないこと等が指摘されているところ、厚生労働省としても、小児集中治療室等を整備していく必要があるものと認識しており、「重篤な小児患者に対する救急医療体制の検討会」において、当該報告書も踏まえ、重篤な小児患者のための高度な救急医療体制の在り方等について検討してきたところであり、その結果も踏まえ、必要な対策を講じてまいりたい。



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