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平成二十四年二月十日受領
答弁第二五号

  内閣衆質一八〇第二五号
  平成二十四年二月十日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員高市早苗君提出除染に伴う除去土壌等の処分方法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員高市早苗君提出除染に伴う除去土壌等の処分方法に関する質問に対する答弁書



一の@及びGについて

 平成二十三年十月二十九日に環境省が策定した「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質による環境汚染の対処において必要な中間貯蔵施設等の基本的考え方について」(以下単に「基本的考え方」という。)において、「濃度の高いものを含め、今後、除染等に伴って大量に発生すると見込まれる除去土壌等、及び一定程度以上に汚染されている指定廃棄物等(以下、大量除去土壌等という)については、その量が膨大であって、最終処分の方法について現時点で明らかにしがたいことから、これを一定の期間、安全に集中的に管理・保管するための施設」として中間貯蔵施設を位置付け、その配置について、「安全管理を一元的・集中的に行うことの重要性及び立地に関する社会的受容性を考慮して、都道府県毎に、その区域内から発生する大量除去土壌等の保管のため、一箇所程度確保するとの基本的考えによることとし、具体的には、大量除去土壌等が発生すると見込まれる福島県にのみ設置する。」としている。
 なお、基本的考え方においては、「他の都道府県については、除去土壌等及び指定廃棄物の発生量が比較的少なく、また汚染度も比較的低いと見込まれるため、各都道府県の区域内において既存の管理型処分場の活用等により処分を進めることとし、中間貯蔵施設の設置は考えない」とした上で、「ただし、今後、土壌等の発生量の見込みを大幅に変更するような状況においては再検討する。」としている。

一のAについて

 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号。以下「法」という。)においては、法第二条第四項に規定する除去土壌及び同条第三項に規定する土壌等の除染等の措置に伴い生じた廃棄物については、一の@及びGについてで述べた基本的考え方における中間貯蔵施設の位置付け及びその配置も踏まえつつ、除去土壌等(法第三十一条第一項に規定する除去土壌等をいう。以下同じ。)が生じた都道府県内において、既存の管理型処分場の活用等により、処理されることとなる。

一のB、C、E及びFについて

 お尋ねの「最終処分を「福島県外」で行うこととした理由」については、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により、当該原子力発電所から放出された放射性物質による環境の汚染が最も深刻な福島県においては、住民が既に過重な負担を負っていること等を踏まえ、総合的に判断した結果、基本的考え方においては、「中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了する。」としたものである。
 また、お尋ねの最終処分場の箇所数については、まずは放射性物質の効果的な分離等の技術の研究開発や評価を進め、最終処分の方向を明らかにすることが必要と考えており、現時点においてお答えすることは困難である。

一のDについて

 除去土壌等を、仮置場から中間貯蔵施設へ運搬する場合及び中間貯蔵施設から最終処分場へ運搬する場合には、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則(平成二十三年環境省令第三十三号。以下「施行規則」という。)第二十三条及び第五十七条の規定により、除去土壌等を運搬する者において、除去土壌等が飛散、流出及び漏出することのないよう、除去土壌等を容器に収納する等必要な措置を採らなければならないこととしている。また、除去土壌等の運搬車に、事故時において応急措置を講ずるための器具等を携行しなければならないこととしており、御指摘の「移動作業中の漏出や収納容器破損」が生じる可能性は否定できないものの、そのような場合には、除去土壌等を運搬する者において、必要な措置を採らなければならないこととしている。

二の@及びGについて

 中間貯蔵施設については、その供用開始までには、場所の選定、基本設計及び実施設計、用地取得、各種開発許可手続並びに工事等に一定の期間が必要であることに鑑み、平成二十五年度末までを目途に基本設計及び実施設計を完了し、仮置場への本格搬入開始から三年程度を目途として供用開始できるよう、地方公共団体や住民の理解と協力を得つつ、政府として最大限の努力を行うこととしている。

二のAについて

 基本的考え方においては、「濃度の高いものを含め、今後、除染等に伴って大量に発生すると見込まれる除去土壌等、及び一定程度以上に汚染されている指定廃棄物等・・・については、その量が膨大であって、最終処分の方法について現時点で明らかにしがたい」こと、「初期の大規模な除染後も、自然界における汚染物質の移動等に対応して追加的な除染が長期間に渡ることも想定される。」こと及び「最終処分の方向については、放射性物質の効果的な分離・濃縮等の技術の発展によるところが大きい」こと並びに放射性物質による環境の汚染が最も深刻な福島県においては、住民が既に過重な負担を負っていること等を総合的に勘案し、「中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了する。」としたものである。

二のBからEまでについて

 中間貯蔵施設の場所については、基本的考え方において「関係市町村及び地域住民の理解と協力を求めつつ、遅くとも平成二十四年度内に立地場所を選定する。」こととしており、現時点においては決まっていないが、今後、関係市町村及び地域住民に対し、必要な説明を実施することとしている。

二のFについて

 お尋ねについては、基本的考え方において示しているところであるが、例えば、場所の選定、基本設計及び実施設計、用地取得、各種開発許可手続並びに工事等が必要であると考えている。

二のHについて

 お尋ねについては、中間貯蔵施設の管理や運用の方法と体制の詳細を環境省において検討中であり、決定時期も含めて、現時点で明確にお示しすることは困難である。

二のIについて

 中間貯蔵施設については、除去土壌等の仮置場への本格搬入開始から三年程度を目途として供用開始できるよう、地方公共団体や住民の理解と協力を得つつ、政府として最大限の努力を行うこととしている。なお、施行規則第十五条及び第五十八条の規定等により、除去土壌等を保管する者において、当該除去土壌等が飛散及び流出することのないよう必要な措置を採らなければならないこととしている。

二のJについて

 お尋ねについては、まずは放射性物質の効果的な分離等の技術の研究開発や評価を進め、最終処分の方向を明らかにすることが必要と考えており、現時点では、御指摘の「最終処分場の整備場所の選定」には着手していない。



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