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平成二十四年二月十四日受領
答弁第四八号

  内閣衆質一八〇第四八号
  平成二十四年二月十四日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員秋葉賢也君提出放射性物質で汚染された建設資材の流通問題と政府の管理体制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員秋葉賢也君提出放射性物質で汚染された建設資材の流通問題と政府の管理体制に関する質問に対する答弁書



一の1から4までについて

 政府においては、「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方」(平成二十三年五月十二日原子力災害対策本部策定)等において、脱水汚泥等を含むセメント等に係る放射能濃度の基準等を示しているが、その他の建設資材については、脱水汚泥等のように放射性物質が追加的に混入する経路が、避難が進められていた当時見当たらなかったことから、そのような基準を策定するに至らなかったものである。また、砕石は、岩石を地表の部分だけでなく地中の部分も含めて砕いて採取されることから、砕石に放射性物質が大量に付着しているとは考えにくいため、放射性物質により汚染された採石の出荷及び流通の可能性について、予見することはできなかったものである。砕石の出荷基準については、専門家による検討会を開催し、学識経験者等の意見を聴きつつ、平成二十三年度末までの策定を目指すこととしている。その他の建設資材に係る新たな基準の策定については、今後の調査結果を踏まえ、関係府省が連携して、対応を検討していく所存である。

一の5について

 政府においては、平成二十三年十二月二十八日に二本松市から御指摘の報告を受け、高い放射線量が計測された原因を特定すべく、同市と共同で関係者から事情を聴く等の調査を行った。その結果、御指摘のマンションの基礎部分に用いられた砕石が原因となった可能性が高いことが判明したことから、平成二十四年一月十五日に、同市においてその旨公表したものである。

二について

 御指摘のマンションの基礎部分に用いられた砕石が採取された採石場において汚染された可能性のある砕石については、原則として全ての流通経路及び汚染状況の調査を実施していく考えであり、当該調査においては、内閣府、経済産業省、国土交通省等の関係府省及び地方公共団体が連携し、これらの砕石が使用されている住宅等であって居住者等の了解が得られたものについて、平成二十三年度末までに放射線量の測定を完了させることを目指している。また、当該調査の結果については、政府において定期的に公表していくこととしている。

三について

 二本松市が平成二十三年十二月二十八日に行った測定によれば、御指摘のマンションの一階部分の床上一メートルの高さにおける空間線量率は毎時〇・九マイクロシーベルトから毎時一・二マイクロシーベルトとのことであり、この測定結果から推定される被ばく線量は年間二十ミリシーベルトを下回る。
 なお、被ばくによる健康リスクについては、国際放射線防護委員会の平成十九年の勧告等において、放射線による人体への影響について、疫学的な研究では、百ミリシーベルトより高い線量ではがんのリスクの可能性が高くなるとされるが、およそ百ミリシーベルトまでの線量ではがんのリスクが高まることは明らかにされていないとしている。また、原発事故の収束及び再発防止担当大臣の下に開催されている放射性物質汚染対策顧問会議の下で開催された有識者から構成される「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」の報告書においても、「広島・長崎の原爆被爆者の疫学調査の結果からは、被ばく線量が百ミリシーベルトを超えるあたりから、被ばく線量に依存して発がんのリスクが増加することが示されている。」とし、「国際的な合意では、放射線による発がんのリスクは、百ミリシーベルト以下の被ばく線量では、他の要因による発がんの影響によって隠れてしまうほど小さいため、放射線による発がんリスクの明らかな増加を証明することは難しいとされる。」としている。

四について

 お尋ねの「放射性物質で汚染された砕石を使用した建築物の被害」については、政府として、現在、汚染された可能性のある砕石の流通経路及び汚染状況の調査を進めており、今回の事態に至った経緯や被害の実態について把握に努めているところである。その結果も踏まえ、被害者に対して適切な賠償を行うよう、東京電力株式会社に対して引き続き促してまいりたい。



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