答弁本文情報
平成二十四年四月二十七日受領答弁第一九〇号
内閣衆質一八〇第一九〇号
平成二十四年四月二十七日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員木村太郎君提出我が国と中国経済との関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員木村太郎君提出我が国と中国経済との関係に関する質問に対する答弁書
一について
中国の本年一‐三月期の実質国内総生産成長率は、前年同期比八・一パーセントとなり、昨年十‐十二月期の同八・九パーセントから伸びが低下した。この背景としては、欧州の政府債務危機の影響を受けて、輸出全体の約二割を占める欧州連合向け輸出が特に減速していること等が考えられる。中国の景気の現状については、本年四月の月例経済報告において、「景気は内需を中心に拡大しているが、拡大テンポがやや緩やかになっている。」と判断したところであるが、本年一‐三月期の実質国内総生産成長率を踏まえた中国の景気に対する判断については、他の経済指標の数値も含めて精査の上、本年五月の月例経済報告において示すこととなる。
中国においては、全国的に住宅価格の上昇が続き、特に一部の大都市では名目域内総生産や名目可処分所得など他の経済指標のすう勢を上回る上昇を示した時期も見られたが、昨年一月の住宅価格抑制策の実施以来、住宅価格が緩やかに低下する都市が増加している。中国の住宅価格については、当面は調整局面が継続すると考えられるが、都市部における潜在的需要が底堅く存在するため、基本的にはこうした需要の動向を反映したものとなると考えられる。
御指摘の中国人民銀行による決定については、人民元の柔軟性向上に向けた更なる措置であり、中国経済の健全な成長に資するものとして歓迎している。
為替レートについては、中国も参加して昨年十一月にカンヌで開催された金融・世界経済に関する首脳会合(G20)において、根底にある経済のファンダメンタルズを反映するため、より市場で決定されるシステムにより迅速に移行し、為替レートの柔軟性を向上させるとともに、ファンダメンタルズからの継続的な乖離を避け、通貨の競争的な切下げを回避することについて、合意がなされたところである。我が国としては、中国がこうした合意に従って必要な措置を採っていくよう促してまいりたい。
我が国としては、アジア・太平洋地域の増大する需要を取り込んでいくことは、我が国が経済成長を維持し増進していくためにも不可欠であると考えており、今後とも、同地域の主要国である中国との間で、対話や交流を通じて戦略的互恵関係を深化させてまいりたい。