答弁本文情報
平成二十四年六月十二日受領答弁第二七四号
内閣衆質一八〇第二七四号
平成二十四年六月十二日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員馳浩君提出文化芸術振興に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員馳浩君提出文化芸術振興に関する質問に対する答弁書
一について
文化芸術は、心豊かな国民生活を実現するとともに、活力ある社会を構築して国力の増進を図る上で重要である。このような観点から、文化芸術の振興を国の政策の根幹に据え、「文化芸術立国」を目指しているところである。
文化芸術は、人々をひき付ける魅力や社会への影響力を有し、被災者の方々を元気付けるものであり、また、創造的な経済活動の源泉として、被災地における経済の活性化にも資するものであると考えている。
このため、政府においては、これまでも、被災地の復興に向け、被災した文化財及び文化施設の調査及び復旧、被災地の子どもへの文化芸術に触れる機会の提供などの支援に取り組んでおり、引き続き、被災地の文化芸術活動の振興に努めてまいりたい。
平成二十四年度においては、文化庁関係予算として、東日本大震災復興特別会計に計上した約二十四億円を含め、過去最高の約千五十六億円を確保したところである。今後とも、「文化芸術立国」の実現に向け、必要な予算の確保に努めてまいりたい。
また、文化芸術に対する支援については、社会を挙げて行うことが必要であり、国や地方公共団体による支援とともに、個人や企業といった様々な主体からの寄附等を促進することが重要であると考えており、個人による寄附金の所得控除や、企業等の法人による寄附金の損金算入等、個人や企業等からの寄附を促進するための税制上の措置を講じているほか、優れたメセナ活動を行う企業等を表彰しているところである。引き続き、これらの制度等を活用することにより、文化芸術活動への寄附やメセナ活動を促進してまいりたい。
文化芸術を含む我が国の魅力をいかした製品等の海外展開や観光客の誘致について、官民一体となって推進することが重要と考えており、現在、「日本再生の基本戦略」(平成二十三年十二月二十四日閣議決定)等を踏まえ、関係府省庁が連携し、官民一体となってクールジャパン戦略の強化等による海外市場の開拓、海外展開支援、情報発信等に取り組んでいるところである。
次代の文化芸術を担う人材を育成するため、新進芸術家等がその才能を伸ばし、能力を発揮できる環境整備を行うことは、我が国の文化芸術の振興を図る上で重要であると考えている。
このため、政府においては、新進芸術家等に対する海外における研修への支援や国内における研修、公演等の機会の提供等を実施しており、引き続き、新進芸術家等の人材育成に努めてまいりたい。
地域の特性をいかした文化芸術活動を推進するとともに、人々がその居住する地域にかかわらず、文化芸術に触れる機会を確保することは重要であると考えている。
このため、政府においては、これまでも、地域の舞台芸術の振興をけん引する劇場、音楽堂等が地域住民や芸術関係者等とともに取り組む舞台芸術に関する活動への支援や、地方公共団体が地域の活性化を促進するために企画する文化芸術に関する事業に対する支援等を実施しているところであり、引き続き、地域における文化芸術活動の充実に努めてまいりたい。