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平成二十四年八月三十一日受領
答弁第三七八号

  内閣衆質一八〇第三七八号
  平成二十四年八月三十一日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員木村太郎君提出財源確保に基づく高校無償化の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員木村太郎君提出財源確保に基づく高校無償化の見直しに関する質問に対する答弁書



一及び二について

 高等学校を始め義務教育を修了した者(以下「義務教育修了者」という。)を対象とする教育を行う学校は、義務教育修了者の大半が進学し、その教育の成果が広く社会に還元されるものとなっていることから、これらの学校における教育に係る費用について社会全体で負担していくことが適当であると考えられる。また、近年の社会経済情勢の変化に伴い、家庭の状況にかかわらず全ての意志ある高校生等が安心して教育を受けることができるよう、その経済的負担の軽減を図ることが喫緊の課題となっている。さらに、諸外国では多くの国で後期中等教育段階の学校を無償としている。このような諸状況に鑑み、御指摘の「高校授業料無償化」について、所得制限を設けずに実施しているものである。

三から七までについて

 御指摘の「高校授業料無償化」については、一及び二についてで述べたとおり、所得制限を設けずに実施しているものである。具体的には、公立高等学校について授業料を徴収しないこととするとともに、私立高等学校等の生徒等に対し、その授業料に充てるために高等学校等就学支援金(以下「就学支援金」という。)を支給することとしている。就学支援金の額については、公立高等学校の授業料の月額の標準となるべき額等を勘案して限度額を定めるとともに、その保護者等の収入の状況に照らして特に当該保護者等の経済的負担を軽減する必要がある生徒等については、当該限度額に一定の額を加算した額を限度額としている。また、各都道府県においては、地域の実情に応じて、私立高等学校等における授業料の減免措置に対する補助事業(以下「授業料減免補助事業」という。)や入学料の減免措置に対する補助事業、高等学校等の生徒に対する奨学金事業(以下「高等学校等奨学金事業」という。)が行われているところであり、政府としては、これらの都道府県の取組に対し、授業料減免補助事業に対する国庫補助及び地方交付税措置、高等学校等奨学金事業に係る資金の交付、平成二十一年度第一次補正予算により設置した高校生修学支援基金の平成二十三年度第三次補正予算による積み増しといった支援を行っている。御指摘の「公私間格差」及び「自治体間の就学支援策に大幅な格差が生じている」の趣旨が必ずしも明らかではないが、以上のような政府及び都道府県の取組により、私立高等学校等の生徒のうち低所得世帯の者に対する支援は、全ての都道府県において公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律(平成二十二年法律第十八号)の施行前と同水準か更に手厚い支援となっているものと認識している。いわゆる給付型の奨学金については、新たな財源の確保等に関する課題があり、また、高等学校等奨学金事業が地域の実情に応じて都道府県において行われていることを踏まえ、国と地方の役割分担の観点から慎重な検討が必要であると考えている。文部科学省としては、御指摘のように「低所得の世帯の就学を支援する」ため、高校生修学支援基金について、奨学金の受給者が高等学校等を卒業後、一定の収入を得るまでの間、その返済を猶予するいわゆる所得連動返済型の奨学金制度を都道府県において整備することを平成二十四年度以降の当該基金の取崩しの条件とする制度改正を行ったところであり、各都道府県に対して当該制度の導入を働きかけてまいりたい。
 こうした取組を通じて、政府としては、義務教育修了者が、御指摘のように「保護者の経済力に拘わらず、生徒の意欲・能力に応じて学校を選択」することができるよう、今後とも支援に努めてまいりたい。



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