答弁本文情報
平成二十四年九月十四日受領答弁第四一一号
内閣衆質一八〇第四一一号
平成二十四年九月十四日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員木村太郎君提出広がる不当な表示や過大な景品類の規制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員木村太郎君提出広がる不当な表示や過大な景品類の規制に関する質問に対する答弁書
一から三までについて
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、インターネットの普及に伴い、事業者が自己の供給する商品又は役務について宣伝することを目的として、「ブログ」において当該商品又は役務に関する記事の作成をすることについて御指摘のような「ブログ運営事業者」に依頼する事例や、「口コミ」を掲載するウェブサイトにおいて当該商品又は役務に関する「口コミ」の投稿をすることについて当該投稿を代行する業者に依頼する事例があることは承知している。
一般論として申し上げれば、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容等についての表示を第三者に依頼した場合において、当該表示が不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあるものと認められるときは、不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号。以下「景品表示法」という。)上問題となるおそれがあり、消費者庁としては、インターネット上の表示について動向を注視し、景品表示法違反の行為に対しては厳正に対処することとしているところである。ただし、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容等についての表示を第三者に依頼すること自体は、直ちに景品表示法上問題となるものではないと考える。
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないので、お答えは差し控えたい。
なお、消費者庁ホームページにおいて、御指摘のように「当該広告に不当な表示がなされないよう十分な注意を払ってください」と言及したのは、広告代理店に景品表示法上の法的義務があることを示す趣旨ではなく、広告代理店においても、商品又は役務を供給する事業者による景品表示法違反の行為を惹起することがないようにとの注意を喚起したものである。
消費者庁は、景品表示法違反の行為を抑止し、消費者被害を未然に防止するとの観点から、「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」等において景品表示法上の考え方や留意点を分かりやすく示すとともに、景品表示法上問題となる事例の追加等を適宜行うことにより、事業者、消費者等に対し注意喚起を行っているところである。もとより、同庁としては、景品表示法第四条第一項の規定により禁止されている不当な表示を行っていることが認められる場合には、景品表示法第六条の規定に基づき当該表示行為の差止めを命ずるなど、厳正かつ迅速に対応しているところであり、今後とも適切に対応していく所存であって、「度重なる事例について逡巡し、追加されるだけの現状」との御指摘は当たらないものと考える。
お尋ねは、裁判所が示した判断に関するものであり、政府として見解を述べることは差し控えたい。
御指摘の「国として、拡大解釈など言論の自由を脅かすことなく適切に対応し」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、今後とも景品表示法を適切に運用していく所存である。御指摘の「不当収益剥奪や被害者救済制度を明確化する法整備」については、多数の消費者の被害の回復を容易にするために、一定の消費者団体が当事者となって事業者の法的責任を確定することができるという訴訟制度を創設することを内容とする法律案につき、できる限り早期に成案を得て、国会へ提出することを目指し作業を行っており、また、違法行為を行った事業者に対して行政により経済的な不利益を賦課する制度等に関しても、消費者庁における「消費者の財産被害に係る行政手法研究会」において検討を行っているところである。