答弁本文情報
平成二十四年十一月六日受領答弁第二号
内閣衆質一八一第二号
平成二十四年十一月六日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員橘慶一郎君提出今般の人事院勧告の取り扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員橘慶一郎君提出今般の人事院勧告の取り扱いに関する質問に対する答弁書
一について
政府としては、国家公務員の労働基本権がなお制約されている現行制度の下においては、人事院勧告制度を尊重することが基本であると考えている。
給与関係閣僚会議が開催されるようになった昭和三十六年以降では、昭和五十六年の人事院勧告の取扱いについて、同年十一月二十七日に閣議決定した例が、最も遅かった事例である。
本年の人事院勧告の取扱いについては、国家公務員の労働基本権がなお制約されている現行制度の下においては人事院勧告制度を尊重することが基本であるが、本年四月から国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律(平成二十四年法律第二号。以下「給与改定・臨時特例法」という。)に基づく給与減額支給措置が講じられていること等を勘案する必要があることから、政府において、現在、鋭意検討を行っているところである。
御指摘の樽床総務大臣の発言は、給与改定・臨時特例法を国会に提出した各政党において本年の人事院勧告の取扱いについての意見が取りまとめられているとは承知していないという同大臣の認識を述べたものである。
各政党の人事院勧告に関する見解については、政府としてお答えする立場にない。
本年十月二十六日時点で、人事委員会の勧告がなされた都道府県の数は四十一であり、本年の人事院勧告等を踏まえ、五十歳台後半層の職員の昇給制度の改正をすべきとの旨の勧告がなされた都道府県の数は二十七、昇格制度の改正をすべきとの旨の報告等がなされた都道府県の数は三十二である。
例年、国家公務員の給与改定に関する取扱いの閣議決定に合わせて、総務省としては、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十九条等に基づく技術的助言として、地方公共団体に対し、地方公務員の給与改定に関する取扱いの通知を発出しているところである。
本年については、十一月六日現在で、地方公務員の給与改定に関する取扱いの通知は発出していない。
五十歳台後半層における官民の給与差の是正については、一般職の国家公務員の給与(以下「国家公務員給与」という。)についての重要な課題の一つとして近年重点的な取組が行われてきているが、なお給与差は相当程度存在している状況にある。
人事院としては、世代間の給与配分を適正化する観点から、本年勧告を行った五十歳台後半層における給与水準の上昇をより抑制する方向での昇給制度の改正(以下「昇給制度改正」という。)は、早急に取り組むべき課題であり、国家公務員給与について本年四月から給与改定・臨時特例法に基づく給与減額支給措置が実施されている中ではあるが、人事院勧告どおり直近の昇給日である平成二十五年一月一日から実施することが必要であると考えている。
本年の人事院勧告の取扱いについては、三及び八についてで述べたとおり、現在、政府において、鋭意検討を行っているところである。
人事院としては、現時点で、「内閣の決定が遅れる場合」を前提としたお尋ねにお答えすることは困難であるが、昇給制度改正及び本年の職員の給与に関する報告で示した昇格制度の改正は、共に平成二十五年一月一日から実施することが必要であると考えている。