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平成二十七年三月十日受領
答弁第一〇五号

  内閣衆質一八九第一〇五号
  平成二十七年三月十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 町村信孝 殿

衆議院議員山井和則君提出高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)における成果と報酬の関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)における成果と報酬の関係に関する質問に対する答弁書



一から三まで及び六について

 労働基準法等の一部を改正する法律案の内容については、現在検討中であることから、お尋ねについてお答えすることは困難である。

四について

 本年三月に労働政策審議会で取りまとめられた「労働基準法等の一部を改正する法律案要綱」(以下「法案要綱」という。)では、高度プロフェッショナル制度の対象労働者の年収要件は、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が(中略)厚生労働省令で定める額以上であること」としており、厚生労働省が作成した毎月勤労統計調査における平成二十六年の毎月「きまって支給する給与」の額は、二十六万千二十九円であることから、年収に換算すると三百十三万二千三百四十八円であり、当該年収額を三倍すると九百三十九万七千四十四円である。また、お尋ねの平均給与額の三倍を相当程度上回る額については、法案要綱において、「三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上である」としており、当該厚生労働省令で定める額は、本年二月に労働政策審議会で取りまとめられた「今後の労働時間法制等の在り方について(報告)」において、「具体的な年収額については、労働基準法第十四条に基づく告示の内容(千七十五万円)を参考に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で規定することが適当」とされているため、現時点ではお答えすることは困難である。

五について

 お尋ねについては、労働基準法等の一部を改正する法律案の内容について、現在検討中であることから、お答えすることは困難である。なお、四についてでお答えしたとおり、お尋ねの平均給与額の三倍を相当程度上回る額については、法案要綱において、「三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上である」としており、当該厚生労働省令で定める額は、本年二月に労働政策審議会で取りまとめられた「今後の労働時間法制等の在り方について(報告)」において、「具体的な年収額については、労働基準法第十四条に基づく告示の内容(千七十五万円)を参考に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で規定することが適当」とされている。

七から九までについて

 労働基準法等の一部を改正する法律案の内容については、現在検討中であることから、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、法案要綱において追加するものとしている「法人である顧客の事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析を行い、かつ、これらの成果を活用した商品の販売又は役務の提供に係る当該顧客との契約の締結の勧誘又は締結を行う業務」であって、裁量労働制の対象となるものは、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行方法や時間配分の決定に関し、大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務に該当するもののみであると考えている。

十及び十一について

 お尋ねの「固定残業代制」について、労働関係法令上これを定義した規定はないが、一般的に、一定時間分の時間外労働に対する割増賃金を定額で支払うこととする労働契約を締結する仕組みであると承知している。
 また、個別の事案における使用者の義務等については、事案に応じて判断されるものと考えているが、一般的に、当該契約を締結している場合、使用者は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十五条第一項並びに労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号)第五条第一項及び第三項の規定に基づき、労働契約の締結に際し、労働者に対して、賃金の決定、計算及び支払の方法として、定額で支払うこととする割増賃金に係る時間を、書面の交付により明示しなければならず、これに違反した場合は、同法第百二十条の規定により、罰則の適用がある。
 さらに、一般的に、使用者は、同法第三十七条第一項の規定に基づき、時間外労働時間及び休日労働時間に応じた割増賃金を支払わなければならず、同項に違反した場合は、同法第百十九条の規定により、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処することとされている。



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