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答弁本文情報

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平成二十八年二月五日受領
答弁第八八号

  内閣衆質一九〇第八八号
  平成二十八年二月五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員仲里利信君提出女性の社会参画と男女がその個性と能力を十分に発揮するための施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員仲里利信君提出女性の社会参画と男女がその個性と能力を十分に発揮するための施策に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねについては、総務省の「労働力調査」によると、子育てや介護等を理由に就業を希望しながら求職していない女性が、平成二十六年においては約三百万人存在するなど、働く場面において女性の力が十分に発揮できているとは言えない状況を踏まえると、働きたい女性が仕事と子育て・介護等との二者択一を迫られることなく働き続けられる環境を整備することも重要と考えている。

二について

 総務省の「労働力調査」によると、我が国の平成二十六年における管理的職業従事者に占める女性割合は十一・三パーセント、世界経済フォーラムの「グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書」によると、我が国の平成二十七年のジェンダー・ギャップ指数は百四十五か国中第百一位、厚生労働省の「平成二十六年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者における女性の賃金は男性の七十二・二パーセントとなっている。このように女性の活躍が十分でない現状は、企業内の配置において性別の偏りが見られること、依然として約六割の女性が第一子出産を機に退職する現状にあること等の男女間の事実上の格差等から生じており、その背景には、固定的な性別役割分担意識と、それと結び付いた長時間労働等の働き方等があるものと考えている。

三及び四について

 御指摘の「出産や子育てのため休職」、「復職できるシステムや環境」及び「左遷に近い状態」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えするのは困難である。なお、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)においては、原則として子が一歳に達するまでの間、育児休業を取得できることとされており、育児を行う労働者の雇用の継続が図られている。また、同法においては、育児休業をしたこと等を理由として、事業主が解雇その他の不利益な取扱いをすることが禁止されており、これを踏まえ、都道府県労働局において、同法に基づく助言、指導等を行っている。

五及び六について

 女性が育児をしながら働き続けるためには、妊娠、出産及び育児と仕事の両立が可能となるような働き方の改革や職場環境の改善を図るとともに、育児休業と保育を組み合わせて就業を継続できる環境づくりが必要と考えている。また、「子育てをしながら女性が働くことができる仕事や職種」の意味するところが必ずしも明らかではないが、女性が育児をしながら働き続けることができるよう、育児休業の取得促進や時間外労働の削減等の働き方の見直しに取り組むほか、保育については平成二十九年度末までの保育所等の整備の目標を上積みし、四十万人から五十万人にしたところであり、引き続き、女性が活躍できる環境整備に努めてまいりたい。

七について

 政府としては、長時間労働は、その職場の男性が育児等の家庭責任を果たすことを困難にし、当該男性の配偶者である女性の活躍の障壁となるとともに、我が国の少子化の要因ともなっていると考えている。また、男女を通じて長時間労働を是正し、限られた時間の中で集中的かつ効率的に業務を行う方向へ職場環境を見直していくことが必要と認識しており、厚生労働省において、時間外労働の削減、年次有給休暇の取得促進に向けての企業への働きかけ等に取り組んでいるところである。

八について

 お尋ねの「働く女性の法制度整備に関わる各種審議会」の意味するところが必ずしも明らかではないが、労働政策審議会における労働者を代表する委員は、厚生労働大臣が労働者一般の利益を代表するにふさわしい者を任命しているところである。
 これに加え、多様な意見を幅広く聴く方法として、例えば、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保に関することに関する重要事項等を調査審議する労働政策審議会雇用均等分科会においては、非正規雇用労働者を含む女性労働者の雇用管理の状況に係るヒアリング結果や雇用形態別の調査の結果を資料として提出し、派遣労働者を含む女性の非正規雇用労働者などの実態も踏まえた議論を行っているところである。
 政府としては、多様な労働者の声が労働政策に反映されるよう、今後とも努力してまいりたい。



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