答弁本文情報
平成二十九年二月二十一日受領答弁第六七号
内閣衆質一九三第六七号
平成二十九年二月二十一日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員逢坂誠二君提出就籍ならざる無戸籍者に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員逢坂誠二君提出就籍ならざる無戸籍者に関する質問に対する答弁書
一について
司法統計年報によると、昭和四十年から平成二十七年までの就籍許可の審判の@申立件数、A認容件数及びB却下件数は次のとおりである。なお、就籍許可の審判を申し立てた「その理由」については、政府として把握していない。
昭和四十年 @千五件 A七百一件 B四十件
昭和四十一年 @九百十九件 A七百二件 B二十九件
昭和四十二年 @八百二十八件 A五百九十七件 B三十件
昭和四十三年 @七百七十六件 A五百六十六件 B二十七件
昭和四十四年 @七百五十六件 A五百十三件 B二十三件
昭和四十五年 @七百二十五件 A四百六十一件 B二十六件
昭和四十六年 @五百八十二件 A四百十四件 B二十四件
昭和四十七年 @六百三十八件 A四百二件 B十九件
昭和四十八年 @五百六件 A三百三十件 B十八件
昭和四十九年 @四百七十件 A二百九十九件 B十九件
昭和五十年 @四百十五件 A三百十三件 B二十五件
昭和五十一年 @三百三十三件 A二百十一件 B二十三件
昭和五十二年 @三百二十六件 A二百二十九件 B十四件
昭和五十三年 @二百七十六件 A百八十八件 B十一件
昭和五十四年 @二百四十六件 A百七十件 B十四件
昭和五十五年 @二百五十二件 A百七十一件 B十一件
昭和五十六年 @百九十三件 A百三十六件 B十二件
昭和五十七年 @二百七件 A百六件 B十二件
昭和五十八年 @二百一件 A百十五件 B十二件
昭和五十九年 @二百五十九件 A百四十二件 B十八件
昭和六十年 @二百七十二件 A百四十五件 B十件
昭和六十一年 @三百十三件 A百八十六件 B十八件
昭和六十二年 @三百五十二件 A二百七十三件 B十九件
昭和六十三年 @三百三十八件 A二百六十四件 B六件
平成元年 @二百七十二件 A二百三十五件 B十一件
平成二年 @二百九十二件 A二百十三件 B十九件
平成三年 @二百五十六件 A二百六件 B十二件
平成四年 @百九十七件 A百六十一件 B二十件
平成五年 @二百二十五件 A百五十四件 B十一件
平成六年 @百七十九件 A百五十八件 B十一件
平成七年 @百九十五件 A百二十一件 B十二件
平成八年 @百八十三件 A百二十一件 B十件
平成九年 @百八十一件 A百三十四件 B六件
平成十年 @二百二件 A百五十件 B八件
平成十一年 @二百三十八件 A百三十七件 B十八件
平成十二年 @百八十八件 A百四十三件 B十五件
平成十三年 @百九十八件 A百十七件 B十四件
平成十四年 @百六十五件 A百八件 B二十五件
平成十五年 @百四十五件 A百十二件 B二十一件
平成十六年 @百六十四件 A七十九件 B十四件
平成十七年 @百五十三件 A八十四件 B九件
平成十八年 @百七十三件 A八十二件 B十二件
平成十九年 @百七十件 A七十四件 B二十一件
平成二十年 @百八十一件 A九十一件 B九件
平成二十一年 @百七十八件 A百十四件 B十三件
平成二十二年 @二百二件 A百九件 B十三件
平成二十三年 @百八十六件 A百十六件 B二十四件
平成二十四年 @百九十件 A百五件 B十八件
平成二十五年 @二百九件 A百三十七件 B二十七件
平成二十六年 @百五十六件 A百十件 B二十一件
平成二十七年 @百六十件 A九十四件 B十六件
日本国民であるか否かについては、戸籍の記載の有無にかかわらず、国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)の定める要件を充足しているか否かにより決せられるものである。また、就籍の許可については、裁判所において、個別具体的な事案に即して判断されるものであるところ、証拠上、日本国籍を有するか否か不明であることを理由として、就籍の許可が認められない場合もあると承知している。したがって、お尋ねの「理由の如何を問わず、就籍を認められなかった無戸籍の者は、日本国憲法あるいは日本の法令上「国民」であるか、否か」については、一概にお答えすることは困難である。
二についてでお答えしたとおり、「理由の如何を問わず、就籍を認められなかった無戸籍の者」が「日本国憲法でいう「国民」」であることを前提とした質問にはお答えすることができない。
二についてでお答えしたとおり、日本国民であるか否かについては、戸籍の記載の有無にかかわらず、国籍法の定める要件を充足しているか否かにより決せられるものである。
また、日本国籍を有する者が、日本に居住、滞在できることは当然である。
一方、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)は、本邦に在留する外国人の在留について規定しているところ、入管法第二条第二号の規定により、「外国人」は「日本の国籍を有しない者」と定義されている。
入管法第六十一条の二第一項は、本邦にある外国人が難民の認定を申請できることを規定しているところ、入管法第二条第二号の規定により、「外国人」は「日本の国籍を有しない者」と定義されている。
無戸籍者については、法務省において、その実態把握に努めているのみならず、法務局において、市区町村等と連携して把握した無戸籍者の一人一人に寄り添いながら戸籍に記載されるための手続案内を丁寧に行っているほか、法務省において、関係府省の担当官を構成員とする「無戸籍者ゼロタスクフォース」を開催するなどして、政府として、無戸籍者問題の解消のための取組を行っている。
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第五十七条において、棄児を戸籍に記載することとしたのは、保護の必要性が高く、かつ、日本で生まれ、父母が共に知れない場合には日本国民とする旨の国籍法第二条第三号に該当する可能性が高い者に対する暫定的な措置を認めたものであるから、棄児は、乳幼児であることを要するものと考えている。
我が国の戸籍法には、子の出生についての届出を義務付ける同法第四十九条の規定及び子の戸籍への記載に関する同法第十八条の規定があるほか、七についてでお答えしたとおり、棄児調書による戸籍への記載に関する同法第五十七条の規定がある。したがって、「国家が義務づけられている出生登録の権利保障から疎外され、児童の権利条約にも違反し、重大な人権侵害である」との御指摘は当たらないものと考えている。
もとより、政府としては、六についてでお答えしたとおり、今後とも無戸籍者問題の解消のための取組に努めてまいりたい。