答弁本文情報
平成二十九年三月三日受領答弁第八一号
内閣衆質一九三第八一号
平成二十九年三月三日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員階猛君提出衆議院予算委員会における金田法務大臣の答弁に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員階猛君提出衆議院予算委員会における金田法務大臣の答弁に関する質問に対する答弁書
一及び二について
御指摘の金田法務大臣の答弁は、平成二十七年九月十五日最高裁判所第三小法廷決定について、「組織的な犯罪集団」又は「組織的犯罪集団」について判示したものではなく、「団体の活動」として「当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われた」こと等を要件とする情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成二十三年法律第七十四号)による改正前の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)第三条第一項第九号に掲げる罪に係る同条第一項(組織的な詐欺)の罪に関するものであると理解しているとの趣旨で述べたものである。
犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成十一年法律第百三十七号。以下「通信傍受法」という。)別表第一又は別表第二に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪は、次のとおりである。
通信傍受法別表第一に掲げる罪
一 大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)第二十四条(栽培、輸入等)又は第二十四条の二(所持、譲渡し等)の罪
二 覚せい剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)第四十一条(輸入等)若しくは第四十一条の二(所持、譲渡し等)の罪、同法第四十一条の三第一項第三号(覚醒剤原料の輸入等)若しくは第四号(覚醒剤原料の製造)の罪若しくはこれらの罪に係る同条第二項(営利目的の覚醒剤原料の輸入等)の罪若しくはこれらの罪の未遂罪又は同法第四十一条の四第一項第三号(覚醒剤原料の所持)若しくは第四号(覚醒剤原料の譲渡し等)の罪若しくはこれらの罪に係る同条第二項(営利目的の覚醒剤原料の所持、譲渡し等)の罪若しくはこれらの罪の未遂罪
三 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第七十四条(集団密航者を不法入国させる行為等)、第七十四条の二第二項(営利目的の集団密航者の輸送)又は第七十四条の四(集団密航者の収受等)の罪
四 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第六十四条(ジアセチルモルヒネ等の輸入等)、第六十四条の二(ジアセチルモルヒネ等の譲渡し、所持等)、第六十五条(ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬の輸入等)、第六十六条(ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬の譲渡し、所持等)若しくは第六十六条の三(向精神薬の輸入等)の罪又は第六十六条の四第二項(営利目的の向精神薬の譲渡し等)の罪若しくはその未遂罪
五 武器等製造法(昭和二十八年法律第百四十五号)第三十一条(銃砲の無許可製造)又は第三十一条の二(銃砲弾の無許可製造)の罪
六 あへん法(昭和二十九年法律第七十一号)第五十一条(けしの栽培、あへんの輸入等)又は第五十二条(あへん等の譲渡し、所持等)の罪
七 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第三十一条から第三十一条の四まで(拳銃等の発射、輸入、所持、譲渡し等)、第三十一条の七から第三十一条の九まで(拳銃実包の輸入、所持、譲渡し等)又は第三十一条の十一第一項第二号(拳銃部品の輸入)若しくは第二項(未遂罪)の罪
八 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成三年法律第九十四号)第五条(業として行う不法輸入等)の罪
九 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第三条第一項第七号に掲げる罪に係る同条(組織的な殺人)の罪又はその未遂罪
通信傍受法別表第二に掲げる罪
一 爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)第一条(爆発物の使用)又は第二条(使用の未遂)の罪
二
イ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八条(現住建造物等放火)の罪又はその未遂罪
ロ 刑法第百九十九条(殺人)の罪又はその未遂罪
ハ 刑法第二百四条(傷害)又は第二百五条(傷害致死)の罪
ニ 刑法第二百二十条(逮捕及び監禁)又は第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
ホ 刑法第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
ヘ 刑法第二百三十五条(窃盗)、第二百三十六条第一項(強盗)若しくは第二百四十条(強盗致死傷)の罪又はこれらの罪の未遂罪
ト 刑法第二百四十六条第一項(詐欺)、第二百四十六条の二(電子計算機使用詐欺)若しくは第二百四十九条第一項(恐喝)の罪又はこれらの罪の未遂罪
三 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第七条第六項(児童ポルノ等の不特定又は多数の者に対する提供等)又は第七項(不特定又は多数の者に対する提供等の目的による児童ポルノの製造等)の罪
国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約第五条1(a)(@)に規定する行為を犯罪とする法整備については、現在、成案を得るべく法律案を検討中であり、当該法整備の具体的内容等を前提とするお尋ねについて、現時点でお答えすることは困難であるが、一般論として申し上げると、刑事事件の捜査及び公判は、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)等に定める適正な手続に従って行われるものと考えている。