答弁本文情報
平成二十九年四月十一日受領答弁第一八八号
内閣衆質一九三第一八八号
平成二十九年四月十一日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員逢坂誠二君提出テロ等準備罪に関わる逮捕の要件が法文上当然明らかであるか否かに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員逢坂誠二君提出テロ等準備罪に関わる逮捕の要件が法文上当然明らかであるか否かに関する質問に対する答弁書
一から十までについて
今国会に提出している組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案による改正後の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「改正後組織的犯罪処罰法」という。)第六条の二第一項においては「その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する」と規定し、同条第二項において「その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは」、「同項」すなわち同条第一項「と同様とする」と規定しており、これらにより、同条に規定する計画行為に加えて計画をした犯罪を実行するための準備行為(以下「実行準備行為」という。)が行われない限り、同条の規定による処罰の対象となるものではないことが明確にされている。
また、同条に規定する計画行為に加えて実行準備行為が行われた嫌疑が存する場合でなければ、逮捕状による逮捕について定める刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百九十九条第一項にいう「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるとき」、緊急逮捕について定める同法第二百十条第一項にいう「罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合」、現行犯人について定める同法第二百十二条第一項にいう「現に罪を行い、又は現に罪を行い終わつた者」又は同条第二項にいう「罪を行い終わつてから間がないと明らかに認められるとき」との要件が満たされることはあり得ないから、法律上、改正後組織的犯罪処罰法第六条の二の罪の嫌疑による逮捕をすることができないことは明らかである。