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答弁本文情報

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令和元年七月五日受領
答弁第二七六号

  内閣衆質一九八第二七六号
  令和元年七月五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員川内博史君提出鹿児島県大島郡瀬戸内町嘉徳海岸侵食対策事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川内博史君提出鹿児島県大島郡瀬戸内町嘉徳海岸侵食対策事業に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の「国立公園の中で、コンクリート護岸のない自然な砂浜」については、調査に膨大な作業を要するため、その名称に係るお尋ねにお答えすることは困難であるが、お尋ねの「嘉徳海岸」は、この「国立公園の中で、コンクリート護岸のない自然な砂浜」に該当すると承知している。

二について

 お尋ねの「砂浜は順調に回復している」の意味するところが必ずしも明らかではないが、海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第二条第三項に規定する海岸管理者(以下「海岸管理者」という。)である鹿児島県知事が管理する嘉徳海岸では、鹿児島県の調査によって、平成二十六年台風第十八号及び平成二十六年台風第十九号により侵食を受けた砂浜において汀線が前進している一方、背後地に家屋等が存する砂丘は侵食されたままになっていることは承知している。

三について

 嘉徳海岸の侵食対策に係る検討を目的として平成二十九年八月に鹿児島県において設置された「嘉徳海岸侵食対策事業検討委員会」は、動植物又は海岸工学の専門家及び地元関係者等を構成員としており、自ら侵食の原因に関する調査を行うとともに、同県による砂浜の回復に関する調査をも踏まえ、侵食の原因、砂浜の回復、侵食対策の工法やその自然環境への影響について必要な議論を行ったものと承知している。

四について

 お尋ねの「日本には、どこにどのような事業を行ったか記録があると思うが、護岸の前に盛土と植栽を施したその後の調査はされているか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、嘉徳海岸の侵食対策の工法として計画されている工法と類似のものとしては、例えば、海岸管理者である鹿児島県知事が管理する奄美大島の用地区海岸において、コンクリート護岸の前面に砂を埋め戻し、植栽を行ったものがあると承知している。同海岸については、当該工法の施工後もモニタリング調査が行われており、当該護岸の前面の砂浜に大きな変化はなく、自然環境についても、良好な状態が維持されていると承知している。

五について

 生態系を活用した防災・減災(以下「Eco−DRR」という。)について、政府としては、基本的な考え方を整理して地方公共団体等に普及を図るとともに、国内外の事例収集や生態系の機能評価に関する研究を支援するなどしているところである。嘉徳海岸における侵食対策は、現存の砂浜はそのまま活かした上で、背後地に家屋等が存する侵食された砂丘について防護対策を行いながら、護岸の前面に盛土と植栽を行うなど、可能な限り侵食を受ける以前の砂丘に戻そうとするものであり、Eco−DRRの考え方を踏まえた取組といえるものと承知している。

六について

 海岸の侵食対策においては、Eco−DRRの考え方も踏まえ、住民の安全を確保しつつ、可能な限り砂浜を保全することが重要と認識しているところ、それは嘉徳海岸においても同様であり、同海岸における侵食対策がEco−DRRの考え方を踏まえた取組といえるものであることについては、五についてでお答えしたとおりである。

七、八及び九の前段について

 お尋ねについては、御指摘の「自然のままで残すべき」、「嘉徳を残す」、「この自然を残す事により人気のあるエコツーリズムの目的地になる可能性は高い」及び「文化的視点からも遺跡調査や自然のまま残る川や河口や海において専門的な学びの場としても大変貴重であり、嘉徳は様々な分野において、モデルケースとなれる特別な場所である」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、五について及び六についてで述べたとおり、海岸の侵食対策においては、嘉徳海岸におけるものも含め、Eco−DRRの考え方も踏まえ、住民の安全を確保しつつ、可能な限り砂浜を保全することが重要と認識しており、今般実施される同海岸における侵食対策も、Eco−DRRの考え方を踏まえた取組といえるものであると承知している。

九の後段について

 お尋ねについては、その趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難であるが、「豊かな自然や文化を生かしたこの国の観光産業」については、地域固有の自然や文化などを活かした、地域での体験滞在の満足度の向上が重要であると考えている。



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