答弁本文情報
令和五年六月九日受領答弁第七〇号
内閣衆質二一一第七〇号
令和五年六月九日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 細田博之 殿
衆議院議員鎌田さゆり君提出在留特別許可に係るガイドラインに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鎌田さゆり君提出在留特別許可に係るガイドラインに関する質問に対する答弁書
一の1及び4について
御指摘の「格別有利に考慮しないで判断する」及び「在特ガイドライン自体の変更とそれを公にすることを経ないで、在特ガイドラインと食い違う運用をする」の意味するところが必ずしも明らかではないが、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第五十条第一項に規定する在留特別許可の許否の判断については、個々の外国人ごとに、在留を希望する理由、家族状況、素行、内外の諸情勢、人道的な配慮の必要性、我が国における不法滞在者に与える影響等諸般の事情を総合的に勘案して行うものであり、法務省入国管理局が平成十八年十月に策定し、平成二十一年七月に改訂した「在留特別許可に係るガイドライン」は、在留特別許可の許否の判断の透明性を高めるため、積極要素又は消極要素として考慮され得る事情を例示的に示したものであることから、「在留特別許可に係るガイドライン」に示したものも含め、諸般の事情を総合的に勘案して行う在留特別許可の許否の判断が「本件附則や上記附帯決議が在留特別許可の運用の透明性を要求することに反する」及び「在留特別許可の運用の透明性を後退させている」との御指摘は当たらないと考えている。
一の2及び3について
御指摘の「在特ガイドラインの内容を変更し、又は考慮要素の追加をする内容の通達」及び「在特ガイドラインの内容を変更し、又は考慮要素の追加若しくは変更をする内容の通達」については、「在留特別許可に係るガイドラインの見直しについて(通達)」(平成二十一年七月十日付け法務省管審第四百十四号法務省入国管理局長通達)を発出しており、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)に基づく開示請求が行われた場合には、同法の規定に基づき、開示しているところである。
一の5について
平成二十九年三月三十日付け法務省管審第五百六十号法務省入国管理局長通達(以下「五六〇号通達」という。)は、御指摘の「在特ガイドラインの内容を変更し、又は考慮要素の追加をする内容の通達」ではない。
一の6について
五六〇号通達の一部については、これを公にすることにより、退去強制手続の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとの理由から公表を差し控えており、お尋ねについてはお答えを差し控えたい。
一の7について
御指摘の「実質的に変更する通達」及び「在特ガイドライン自体の変更とそれを公にすることを経ないで、在特ガイドラインと食い違う運用をする」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「在留特別許可に係るガイドライン」は、在留特別許可の許否の判断の透明性を高めるため、積極要素又は消極要素として考慮され得る事情を例示的に示したものであり、御指摘の「新たな在特ガイドライン」を策定した後も、入管法第五十条第一項に規定する在留特別許可の許否の判断については、引き続き、個々の外国人ごとに、諸般の事情を総合的に勘案して行うこととなる。
二及び三について
お尋ねの「新たなガイドラインの具体的な内容」については、現在検討しているところであり、現時点でお答えすることは困難である。