答弁本文情報
令和五年六月三十日受領答弁第一二八号
内閣衆質二一一第一二八号
令和五年六月三十日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 細田博之 殿
衆議院議員たがや亮君提出国内産医薬品・原薬の安定供給の確保に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員たがや亮君提出国内産医薬品・原薬の安定供給の確保に関する質問に対する答弁書
一及び二について
御指摘の「円安やエネルギー価格の高騰をはじめとする物価高」の影響について、令和四年十月に中央社会保険医療協議会薬価専門部会において実施した関係団体からのヒアリングにおいて、「直近の物価及びエネルギー価格の上昇や円安の影響は製薬企業の研究開発や生産等にも影響を及ぼしている」等の指摘がなされていると承知している。政府としては、医薬品の安定供給を確保することは重要であると考えており、現行の薬価制度において、保険医療上の必要性が高く供給の継続が必要であるものの、薬価が著しく低額であるために製造販売業者が製造販売を継続することが困難である医薬品については、不採算品再算定の対象として、改めて薬価を原価計算方式により算定しているところであり、「令和五年度薬価改定の骨子」(令和四年十二月二十一日中央社会保険医療協議会了解)において、「急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、不採算品再算定について臨時・特例的に・・・適用する」とされたことを踏まえ、千百品目について、薬価の引上げを行ったところである。引き続き、薬価については、医薬品の安定供給を確保する観点を踏まえて、適切に対応してまいりたい。
三から五までについて
御指摘の「十分な品質の保持や数量の確保」及び「将来的に国内メーカーが淘汰され、必要な資本や技術が失われる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、医薬品の安定供給を確保するためには、御指摘の「医薬品・原薬の供給体制」の確保や「海外産の医薬品・原薬」への依存度を低減する取組を含む、サプライチェーンの強靱化が重要であると考えており、御指摘の「医薬品安定供給支援事業」等に取り組んでいるほか、不採算品再算定等の仕組みを適切に運用してきたところである。また、令和五年六月九日に取りまとめられた「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の報告書において、「医療提供の持続可能性にも関わる医薬品供給リスクに対処するため、医薬品製造に係るサプライチェーンの強靱化を着実に図るべきである」とされていることも踏まえ、引き続き必要な取組を進めてまいりたい。