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答弁本文情報

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令和六年十一月二十二日受領
答弁第四三号

  内閣衆質二一五第四三号
  令和六年十一月二十二日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員尾辻かな子君提出厚生労働省が説明する「百六万円の壁」の不存在と「週二十時間の壁」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員尾辻かな子君提出厚生労働省が説明する「百六万円の壁」の不存在と「週二十時間の壁」に関する質問に対する答弁書


一について
  
 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「百六万円の壁」については、令和五年三月十三日の参議院予算委員会において、岸田内閣総理大臣(当時)が「百六万円の壁について正確に認識することは大事だと思います。(中略)雇用契約を結んだ時点で、月額賃金八・八万円というこの数字、これを意識しなければならない。要するに、年末等でその収入が増えていって調整するというんじゃなくて、雇用契約を結ぶ段階でこれを超えるかどうか、これは考えなければならない、その時点で就労調整が起きる、これは十分考えられるんだと思います」と述べたとおりである。

二及び五について
  
 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第十二条第五号ロ又は健康保険法(大正十一年法律第七十号)第三条第一項第九号ロの規定に基づき、一の適用事業所において支払われる報酬のうち、厚生年金保険法施行規則(昭和二十九年厚生省令第三十七号)第九条の四各号又は健康保険法施行規則(大正十五年内務省令第三十六号)第二十三条の四各号に掲げる賃金に相当するものを除く部分(以下「所定内賃金」という。)の額について、厚生年金保険法施行規則第九条の五又は健康保険法施行規則第二十三条の五で定めるところにより、厚生年金保険法第二十二条第一項の規定の例により又は健康保険法第四十二条第一項の規定の例により算定した額が八万八千円未満の場合、御指摘のように「被用者保険の加入対象にはならない」ところ、お尋ねの「「百六万円の壁」を理由に事業者が残業を控えさせる、働き控えを勧める、または短時間労働者が年収百六万円に至らないように働き控えを行うといったこと」に関し、「残業を控え」ること及び「働き控え」を御指摘の「繁忙期の残業等によって一時的に労働時間が」増加することを控えることと解すれば、「繁忙期の残業等」に対して支払われる賃金については、原則として、厚生年金保険法施行規則第九条の四第三号又は健康保険法施行規則第二十三条の四第三号に掲げる「所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金」に相当するものとして所定内賃金に含まれないことから、「繁忙期の残業等」に対する賃金の支払により、「被用者保険加入の対象」とはならないため、お尋ねのそのことについては一般に想定されないと考えており、「適切か」とのお尋ねについてお答えすることは困難である。
 また、厚生年金保険法第十二条第五号イ又は健康保険法第三条第一項第九号イの規定に基づき、「一週間の所定労働時間が二十時間未満」の場合、御指摘のように「被用者保険の加入対象にはならない」ところ、お尋ねの「雇用契約時の所定労働時間が二十時間未満であって、繁忙期の残業等によって一時的に労働時間が二十時間以上となった場合」については、この「労働時間」は、原則として、「所定労働時間」に含まれないことから、「被用者保険加入の対象」とはならない。

三について
  
 御指摘の「ミスリードしている」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、政府としては、御指摘の「百六万円の壁」について正確に周知することが重要であると考えている。

四について
  
 御指摘の「ミスリード」の具体的に意味するところが明らかではないが、お尋ねについては、御指摘の「百六万円の壁」という呼称は一般に広く用いられていると考えられることから、政府としては、御指摘のような「「年収の壁・支援強化パッケージ」をはじめとした厚生労働省ホームページなどの政府の発信のなかで」、正確に周知することが重要であると考えている。

六の1及び2について
  
 御指摘の「被用者保険の適用範囲」については、現在、社会保障審議会年金部会において議論が行われているところであり、その結果を踏まえて、具体的にどのような措置が必要であるかについて検討を行うこととしており、現時点でお尋ねについてお答えすることは困難である。

六の3について
  
 お尋ねについては、令和六年七月三日の第十六回社会保障審議会年金部会の資料一「令和六(二〇二四)年財政検証結果の概要」において、令和四年度時点における最低賃金等の状況を前提とした「令和四年公的年金加入状況等調査」等の「特別集計等」を用いて推計すると、令和五年度時点で約百十万人と示しているところである。

六の4について
  
 御指摘の「報道A」は、「「百六万円の壁」がなくなる」ことを前提としたものであり、「被用者保険の適用範囲」については、六の1及び2についてでお答えしたとおり、現在、社会保障審議会年金部会において議論が行われているところであることから、「「百六万円の壁」がなくなる」ことを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。

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