衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十四年十二月十二日提出
質問第三五号

ウイルス肝炎総合施策に関する質問主意書

提出者  阿部知子




ウイルス肝炎総合施策に関する質問主意書


 昭和五四年に設置された「肝炎研究連絡協議会」の研究成果により、昭和六〇年度から新生児にB型肝炎ワクチンを接種する「母子感染防止事業」が開始された。また昭和六三年にはC型肝炎ウイルス遺伝子が解明され、六年後の平成六年にはウイルスそのものが見つかり、本年からは、難病対策が開始された昭和四七年以来三〇年ぶりにB型・C型肝炎ウイルス検診が開始される等緊急対策が実施されている。しかしながら、ウイルス肝炎・肝臓病の根本的な治療法はいまだ未確立であり、長い年月にわたり入退院を繰り返しながら肝炎患者は苦難の日々を過ごしている。
 また、病気による苦しみに加え、肝障害は福祉法の適用外であり、法律上の「障害者」ではないために『障害者手帳』が未交付である。そのため、各行政レベルの施策の多くに取り残され、外見上健常者と変わらないため、職場の理解を得にくく無理をして悪化させ、退職を余儀なくされる等、二重の苦難を背負いながら、構造不況下、医療と福祉の谷間でますます厳しい状況に置かれている。
 ウイルス肝炎患者の医療・福祉のより一層の施策の充実を求めて、以下質問する。

1 肝炎緊急対策として、老人保健法に基づく基本検診と政府管掌健康保険の生活習慣病予防検診への肝炎検査が、今年度から導入されているが、実施保留の自治体を実施予定を含め、調査して示せ。
 全国の健康保険組合に対し、C型肝炎検査導入促進を働きかけ、組合管掌健康保険の今年度の実施を図るために、行政としてどのような施策を講じているか示せ。
2 止血剤として使用された血液製剤クリスマシン、フィブリノゲン等により、新生児、妊婦が大量にC型肝炎感染し、薬害肝炎として改めて問題となっている。
 目の負傷の止血用に投与されたクリスマシンにより、昭和五六年小学校六年の時、C型肝炎に感染した三〇代男性が、平成六年医薬品副作用被害救済機構に医療手当の支給を請求したが、「クリスマシンは対象除外医薬品」であるとして不支給となっている。本救済制度又は新たな補償制度により感染被害者に対し司法判断を待たずに早急に医療手当支給等の施策を講じるべきであると考えるが、政府の見解を示せ。
3 肝炎緊急対策強化のためにも、ウイルス肝炎・肝臓病の正しい知識の普及のためのパンフレット、小冊子、ビデオ作成を国民の目に見える形でより積極的にすすめる必要がある。政府の見解を示せ。
4 ウイルス肝炎の感染原因の大半は、予防接種、輸血、特定地域での多発など、医療行為による「医原病」であると考える。従来から特定地域での肝炎多発が指摘されていた。都道府県、区市町別に多発地域を調査して示せ。
5 一九九二年以前の輸血等医療行為による慢性肝炎・肝硬変患者、感染者等治療が必要な人に対し早期に専門医への受診、医療費の一部公費負担等抜本的かつ具体的な対策を講ずべきと考えるが政府の見解を示せ。
6 肝炎研究を推進し、根本的な治療法を早期に確立することは急務である。現在までの、「肝炎研究連絡協議会」の構成と治療研究の結果を示せ。
7 肝がんは肝硬変に高率に発生する。早期に超音波による肝がん検診を国として実施することが、結果として医療費の増大も防ぐことが可能と考える。政府の見解を示せ。
8 脳死者からの肝移植よりも、一三年間で約二〇〇〇例となった『生体肝移植』の一層の普及、脾臓へ肝細胞を移植し第二の肝臓として活用する『肝細胞移植』の研究促進、早期実用化のための研究費の増額が必要と考える。
 生体肝移植の保険適用の現状と、研究費の額と今後の肝細胞移植の実用化のめどについて示せ。
9 脳死移植に道を開く臓器移植法は、提供者の意志が文書で確認される場合に限定することとし、九七年六月の国会で成立した。参議院では、移植の場合に限り脳死で亡くなったこととする厳格な内容の修正が加えられた。九九年二月、法施行後一年四カ月ぶりに国内初の脳死移植が行われ、これまで二〇数例が実施されたが、患者を死亡させる可能性がある無呼吸テストがされたこと等に対する検証は不十分であると考える。十分な医療情報の公開を図り、受容者が安心して移植をうけられるようにすべきである。政府の見解を示せ。
10  一九八一年国際障害者年の「障害者の権利宣言」を踏まえ、「身体障害者福祉法」の政令を拡大し、福祉法への適用を図り、肝障害を「障害者」と認定し『障害者手帳』を交付すべきと考える。政府の見解を示せ。
11  障害年金は、肝疾患の中で、慢性肝炎に支給されにくくなっている。肝硬変になる可能性のある慢性肝炎にも障害年金を支給すべきと考える。現在の肝臓病への支給基準を示せ。
12  「障害者の雇用の促進等に関する法律」の対象に肝臓病を加え、肝障害者の援護施策を制度化し、雇用促進と職場確保の途を開くための政府の施策を示せ。
13  C型、B型肝炎は、感染性故にともすれば職場の理解が不足しがちで、差別と偏見にさらされる場合が少なくない。肝障害者への雇用差別をなくすための事業主への啓発活動を調査して示せ。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.