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平成十五年二月四日受領
答弁第三五号

  内閣衆質一五五第三五号
  平成十五年二月四日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員阿部知子君提出ウイルス肝炎総合施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出ウイルス肝炎総合施策に関する質問に対する答弁書



1について

 老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)に基づき市町村が行う肝炎ウイルス検診である節目検診(四十歳、四十五歳、五十歳、五十五歳、六十歳、六十五歳及び七十歳の者を対象とする肝炎ウイルス検診をいう。)及び節目外検診(右のような節目の年齢の者に着目するのでなく、四十歳以上の者で、過去に肝機能の異常を指摘されたことのあるもの等を対象とする肝炎ウイルス検診をいう。)の実施状況について、平成十四年七月に全国三千二百四十一市町村を対象として調査を行った結果、平成十四年度において節目検診のみを実施する旨回答した市町村は別表一のとおりであり、節目外検診のみを実施する旨回答した市町村は別表二のとおりであり、節目検診及び節目外検診のいずれも実施しない旨回答した市町村は別表三のとおりである。また、これらの市町村に係る未実施の肝炎ウイルス検診の平成十五年度以降の実施予定は、把握していない。
 政府管掌健康保険の生活習慣病予防健診の一環として行っている肝炎ウイルス検査については、平成十四年度からすべての地方社会保険事務局において実施している。
 健康保険組合が行う健康診査については、従来から、健康保険組合事業運営基準(昭和三十五年十一月七日付け保発第七十号厚生省保険局長通知)により、中高年齢者を健康診査の対象とする場合は少なくとも老人保健法に基づき行う健康診査と同程度又はそれ以上の内容で実施するよう各健康保険組合を指導しているところであり、平成十四年一月には、同基準を改正し、肝炎ウイルス検査を健康診査の項目の例示として追加した。

2について

 従前から、医薬品の副作用による健康被害については、民事上の損害賠償による救済とは別に、副作用被害救済制度(医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法(昭和五十四年法律第五十五号。以下「機構法」という。)第二十八条第一項各号に規定する給付に関する制度をいう。)を通じて、将来発生し得る副作用に備えて医薬品製造業者等が共同で拠出し、一定程度以上の健康被害について定型的な給付を行うことにより、簡易迅速な救済を実現しているところである。しかしながら、血液製剤等の生物由来製品の原材料に混入し、又は付着した感染症の病原体に感染すること等により生じる健康被害(以下「感染等被害」という。)については、医薬品の有する薬理作用によって生じるものではなく、医薬品の副作用による健康被害には当たらないことから、副作用被害救済制度の対象とはならない。このため、感染等被害の簡易迅速な救済を図ることを目的として、今般成立した独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成十四年法律第百九十二号。以下「新機構法」という。)において、感染等被害救済制度(新機構法第二十条第一項各号に規定する給付に関する制度をいう。)が新たに設けられ、平成十六年四月一日(以下「施行日」という。)から実施されるところであるが、感染等被害救済制度の対象は、新機構法附則第二条の規定により、施行日以後に使用された生物由来製品が原因となって感染等被害を受けた者とされている。
 お尋ねの三十代男性については、右に述べたように、C型肝炎ウイルスにより汚染された血液を原料とする製剤の使用に伴う健康被害は副作用被害救済制度の対象である医薬品の副作用による健康被害ではないこと、また、お尋ねのクリスマシンは血液凝固第\因子製剤に属するものであるが、昭和五十六年当時、当該製剤は、副作用被害救済制度からの除外医薬品(重篤な疾病等の治療のためにその使用が避けられらず、かつ、代替する治療方法がないため、その使用に伴い予想される副作用の発生を受忍せざるを得ないと認められる医薬品として、機構法第二条第二項第一号の規定に基づき、救済の対象とならない医薬品に指定されているものをいう。)とされていたことから、副作用被害救済制度を適用することは困難である。また、感染等被害救済制度の適用についても、右に述べたとおり、感染等被害救済制度の救済の対象が施行日以後に使用された生物由来製品が原因となって感染等被害を受けた者とされていることから、その適用は困難である。

3について

 ウイルス肝炎について、正しい知識の普及啓発を図ることは、極めて重要であると考えている。
 このため、厚生労働省において作成した国民向けのC型肝炎の基礎知識に関する問答集を、厚生労働省等のホームページに掲載しているほか、各種の機会を通じて配布し、都道府県等による関連資料の作成等への補助を行うなど正しい知識の普及啓発に努めているところである。

4について

 平成十三年度に厚生科学研究費補助金の交付を受けて実施された「C型肝炎の自然経過および介入による影響等の評価を含む疫学的研究」の結果を取りまとめた報告書においては、全国を八地区に分類して、初回供血者のHCV抗体陽性率及びHBs抗原陽性率を算出すると、HCV抗体陽性率及びHBs抗原陽性率は共に近畿以西の西日本地区において他の地区に比べやや高い値を示す傾向が認められた旨が報告されている。
 より細分化した地域区分に基づくウイルス肝炎の多発地域の調査については、実施の有無を含め、今後、検討してまいりたい。

5について

 ウイルス肝炎の患者等については、平成四年以前の輸血等の医療行為により感染した者も含め、当該患者等が早期に発見され、医師の適切な治療等を受けられるようにすることが重要であると考えている。このため、老人保健法に基づき市町村が行う健康診査等における肝炎ウイルス検診の実施等検診機会の確保、厚生労働科学研究費補助金による治療指針の作成等肝炎分野の研究活動の推進、国立病院長崎医療センターを中心とする国立病院及び療養所における診断及び治療法の開発並びに高度な診療の実施等に取り組んでいるところである。
 また、ウイルス肝炎の患者等については、疾患の原因が明らかであり、治療によって疾患の治癒又は軽快が期待され、また、まん延防止のために強力な措置を要しないなど、各種の公費負担医療制度等の対象者とは事情が異なることなどから、医療費の一部公費負担等の措置を講ずることは困難である。

6について

 お尋ねの「肝炎研究連絡協議会」の構成とは、肝炎研究連絡協議会の下で実施された研究に係る研究実施体制を指すものと考えるが、平成十三年度までの当該実施体制は別紙一のとおりである。また、実施された研究のうち、治療研究に係る研究の内容は別表四のとおりであるが、当該治療研究の結果を取りまとめた報告書については、厚生労働省健康局結核感染症課に保管しており、希望者は閲覧をすることが可能である。

7について

 平成十二年度に財団法人日本公衆衛生協会が老人保健事業推進費等補助金の交付を受けて実施した「がん検診の適正化に関する調査研究事業」の結果を取りまとめた報告書によると、超音波検査による肝がん検診については、その有効性を証明する科学的根拠が現時点では十分でないことから、導入を推進する状況にはないと考えている。また、超音波検査による肝がん検診を実施することにより、結果として医療費の増大を防ぐことが可能かどうかは必ずしも明らかではないと考えている。

8について

 生体肝移植に対する医療保険制度の適用については、平成十年度に生体部分肝移植術及び移植用部分肝採取術に係る診療報酬点数を設定して医療保険の対象とした後、順次診療報酬点数の引上げを行っている。
 お尋ねの「肝細胞移植」の内容が必ずしも明らかではないが、現在重度の肝疾患に対して一般的に用いられる治療法は肝移植のみであることから、その他の治療法の確立に向け、平成十四年度は厚生労働科学研究費補助金を一億千九百万円確保して、肝幹細胞を用いた治療法等に関する研究を行っている。なお、これらの研究は動物実験の段階にあり、現時点でその実用化のめどをお示しすることは困難である。

9について

 法的脳死判定が行われた事例については、現在、厚生労働大臣の下に設置した「脳死下での臓器提供事例に係る検証会議」において、救命治療、法的脳死判定及び社団法人日本臓器移植ネットワークによる臓器あっせん業務等の状況について個別に検証が行われており、検証の結果については、臓器提供者の家族の了承を得た上で公開している。
 政府としては、国民の信頼を得ながら、我が国における臓器移植の定着を図っていくためには、臓器提供者やその家族のプライバシーを保護しつつ、移植医療の透明性を確保していくことが重要であると考えており、今後とも適切な情報公開が図られるよう努めてまいりたい。

10について

 身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第十五条第四項及び別表においては、都道府県知事は、日常生活に著しい制限を受ける程度であると認められ、かつ永続する障害を有する者に対して、身体障害者手帳を交付することとされている。ウイルス肝炎等の肝臓の疾患については、継続的に治療が行われ、治療により改善の可能性があることから、障害が永続しているとはいえず、身体障害者として認定することは困難であると考える。

11について

 お尋ねの支給基準とは、「国民年金・厚生年金保険障害認定基準について」(昭和六十一年三月三十一日付け庁保発第十五号社会保険庁年金保険部長通知)に定める障害の程度の認定基準を指すものと考えるが、同認定基準のうち、肝疾患に係る障害の程度の認定に関するものは、別紙二のとおりである。

12について

 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第二条第一号においては、障害の原因や種類を限定せず、障害者が「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者」と定義されている。肝疾患を有する者についても、この定義に該当する場合は、同法上の障害者として、障害者の職業能力、適性等を評価することなどを目的とする職業評価、障害者がその能力に適合する職業に就くことを支援するための職業指導、障害者が基本的な労働習慣を体得するための職業準備訓練、障害者の能力に適合する職業を紹介する職業紹介等の職業リハビリテーションのための措置を受けることができる。

13について

 お尋ねの啓発活動に係る主要な取組は、次のとおりである。
 結果としてウイルス肝炎の患者等に対する就職差別につながるおそれがある採用選考時の健康診断における血液検査については、職務内容との関連で合理的及び客観的な必要性を慎重に検討することを各事業者に求めるため、パンフレット等の啓発資料の作成及び配布を行うとともに、従業員の数が百人以上であるなど一定の基準に該当する事業所において選任すべきことを指導している公正採用選考人権啓発推進員等を対象とする研修会の開催等を通じ、啓発に努めている。また、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第六十六条の規定に基づく健康診断における労働者に対する肝炎ウイルス検査の受診勧奨を行うとともに、当該肝炎ウイルス検査については、労働者の個別の同意に基づいて実施し、また、検査結果について労働者のプライバシー保護の観点から十分な配慮をするよう、平成十四年六月に各業界団体を通じ、傘下の事業者に要請した。さらに、同法第十二条及び第十三条の規定に基づき事業者が選任する衛生管理者及び産業医、人事労務担当者等を対象として、ウイルス肝炎対策に関する講習会を実施し、職場におけるウイルス肝炎に関する正しい知識の普及に努めている。
 なお、現在、疾病等を理由とする職場における不当な差別的取扱いを禁止することなどを内容とする人権擁護法案を国会に提出しているところである。


別表一(1/2)


別表一(2/2)


別表二


別表三


別表四(1/11)


別表四(2/11)


別表四(3/11)


別表四(4/11)


別表四(5/11)


別表四(6/11)


別表四(7/11)


別表四(8/11)


別表四(9/11)


別表四(10/11)


別表四(11/11)


別紙一(1/12)


別紙一(2/12)


別紙一(3/12)


別紙一(4/12)


別紙一(5/12)


別紙一(6/12)


別紙一(7/12)


別紙一(8/12)


別紙一(9/12)


別紙一(10/12)


別紙一(11/12)


別紙一(12/12)


別紙二(1/7)


別紙二(2/7)


別紙二(3/7)


別紙二(4/7)


別紙二(5/7)


別紙二(6/7)


別紙二(7/7)


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