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令和元年六月二十一日提出
質問第二九五号

羽田低空飛行ルート問題に関する質問主意書

提出者  松原 仁




羽田低空飛行ルート問題に関する質問主意書


 現在政府が計画中である羽田空港の機能強化に伴う都心低空飛行ルートの採用に関して、これまでの議論を踏まえ質問する。

一 新飛行経路案に関する地元の理解に関して、本年三月、品川区議会において『品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に関する決議』、渋谷区議会において『羽田空港増便による都心低空飛行計画の見直し等を国に求める意見書』が決議された。品川区議会の決議では、自民党、公明党、共産党、民主党系、そのほかのすべての会派の議員を含め全会一致して「多くの区民に理解しがたい現状」「新飛行ルート案を容認することはできない」としている。また渋谷区議会の意見書においても、同様に全会一致して、「未だ渋谷区内では充分な理解が進んでいる状況には至っていない」「国会及び政府に対し、区民の生活を守るために計画の見直し等を強く求める」との意見を表明している。
 1 品川区議会、渋谷区議会におけるこれらの決議を、新飛行経路計画に対する地元の理解という観点から、どのように評価しているか。また、こうした決議に対して、政府から各区議会に対して答弁や回答はされているか。もし答弁等がなされない場合、議会を通した関係地域の住民の声を無視することになる。政府として前向きな答弁を求める。
 2 品川区議会の決議は、内閣や国政に対して提出されておらず、一方の渋谷区議会の決議については、衆参議長及び内閣に提出されていると了解している。こうした両区議会の決議の相違点は、政府による扱いに差異を生じさせるか。
 3 新飛行経路案の採用により、飛行機が低空飛行で上空を通過する自治体の議会は、政府が新飛行経路案の採用に向けて「幅広い理解を得る」としている「地方公共団体等」に含まれているか。
 4 品川区議会からの決議については、明確に「新飛行ルート案を容認せず」を主張しているが、住民を代表する議会においてこうした決議が出てきた以上は、地方自治体の首長をはじめとする行政機関だけによる受け入れ表明で、「幅広い理解」が得られたと判断することは、民主主義において極めて重要な自治体の議会を蔑ろにする行為である。こうした議会の決議がある以上、「幅広い理解」が得られたと判断することは不可能と考えるが、ご所見はいかがか。
 5 地元の理解を得られたか否かを判断するうえで、これらの決議が全会一致で可決された後の状況は、この決議が可決される前とは異なる環境となったと考えるか。
 6 議会の全会一致の決議と首長の決断、どちらが本計画に対する地域の意思表明として、より尊重されるべきか。
二 公聴会の実施について
 1 品川区、渋谷区の議会において前述の決議が上がっている現状を鑑みれば、区議会議員の参加も含めて公聴会が開催されてしかるべきと考える。新飛行経路案に関する公聴会実施の法的な必要性はあるか。
 2 今後、新飛行経路案の採用前に公聴会を実施する予定はあるか。ある場合、いつ、どこで、どのような発言者を想定して行う予定か。
三 新飛行経路における実機による試験飛行に関して、「試験飛行の要否については、当該整備の状況、飛行検査の時期及び地方公共団体等からの要望等を勘案して、慎重に判断することとしたいと考えており、仮に、試験飛行を行う場合には、その費用について検討することとなる」(本国会、答弁第二九号)との答弁がなされている。既述の品川区議会における「新飛行ルート案を容認することはできない」という決議を踏まえれば、政府がこれまで行ってきた「丁寧な説明」では、地元の理解を得るには不十分であることは明らかであり、見方によっては従来の「丁寧な説明」が否定されているともいえる。したがって、もしも新飛行経路への地元の理解を得ようとするならば、従来の説明項目や手法とは異なる新たな説明材料が必要である。特に、関係地域の住民からは重要な判断材料として、実際に飛ぶ飛行機、特に頻度の高い中型機や大型機による試験飛行の実施を求める声は多い。新飛行経路案の採用決定前に、実機による試験飛行の実施予定はあるか。ある場合、いつ、どの程度の大きさの航空機を用いて行う予定か。また地元の理解を得るための試験飛行の必要性に関して、現状認識を問う。
四 幅広い理解を得たと判断する科学的、客観的な根拠について
 1 計画に対する住民の賛成、反対について、既に、科学的調査として有効であると考えられる世論調査を実施する予定はないと答弁しているが、その理由は何か。
 2 世論調査が、内閣及び国土交通省が言う「幅広い理解」を得たとの証明に不適切な理由をお示しいただきたい。費用や時間が掛かるから実施しないのか。
 3 世論調査よりも科学的に正確に住民意識を調査する方法があると考えるか。ある場合、その方法は何か。

 右質問する。



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